3. 新NISAで無理なく「1000万円」貯めるためのシミュレーション
1000万円を無理なく貯めていくには、利息のほとんど付かない預貯金では毎月の負担が大きくなってしまいます。
NISAでほどよいリスクを取った運用をすれば、預貯金より効率的な資産形成を期待できます。
以下は元利合計で1000万円を達成するための、運用期間と利回り別の積立額の表です。この試算には金融庁の「資産運用シミュレーション」を用いました。
【利回り(年率)0%】
- 10年:8万3333円
- 20年:4万1667円
- 30年:2万7778円
【利回り(年率)1%】
- 10年:7万9271円
- 20年:3万7656円
- 30年:2万3831円
【利回り(年率)2%】
- 10年:7万5347円
- 20年:3万3922円
- 30年:2万295円
【利回り(年率)3%】
- 10年:7万1561円
- 20年:3万460円
- 30年:1万7160円
【利回り(年率)5%】
- 10年:6万4399円
- 20年:2万4329円
- 30年:1万2015円
3.1 1000万円は手の届く目標
運用益がゼロの場合でも30年かけると、毎月約3万円の積立で1000万円を貯められるとわかります。年率2%で運用できると毎月の積立額は2万円ですみます。
毎月2万円から3万円の積立であれば、家計の見直しなどで資金を捻出できるのではないでしょうか。
つまり、1000万円の資産は、30歳代で貯蓄ゼロの人にも手が届く目標であると考えられます。
ただし、NISAの運用は預貯金のように将来の成果を約束されていません。
上手くいけば想定以上のリターンを得られるかもしれませんが、反対に損をする可能性もあります。この金額は目安であると知っておきましょう。
3.2 短期間で1000万円を準備するには
1000万円をできるだけ短期間で準備したい場合、積み立てる金額を増やす、想定利回りを高くするという方法があります。
想定利回りを高くすると大きなリターンを期待できる反面、損失も大きくなりやすい点に注意が必要です。
自分のリスク許容度や投資に回せる金額などを総合的に考え、ちょうどよい目標を決めましょう。
4. 30歳代なら貯蓄ゼロからでも「1000万円」は不可能ではない
30歳代は貯蓄がゼロの人も少なくありませんが、そのままにしていては不測の事態に対応できないおそれがあります。
1000万円という目標金額は、30歳代から資産形成を始めるなら決して無理ではありません。
自分にできそうな目標を立て、早めに取りかかることが大切です。2024年にスタートした新NISAを有効活用しましょう。
参考資料
松田 聡子