三井物産、3Q利益は前年同期比1,465億円増 通期業績予想を史上最高値へ上方修正

2018年2月5日に行われた、三井物産株式会社2018年3月期第3四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:三井物産株式会社 代表取締役専務執行役員CFO 松原圭吾 氏
三井物産株式会社 執行役員経理部長 塩谷公朗 氏

2018年3月期第3四半期決算説明会

松原圭吾氏:CFOの松原です。本日はお忙しい中、弊社の決算説明会にご参加いただきまして、ありがとうございます。まず私から、第3四半期の経営成績の概要及び通期業績予想について、ご説明します。その後、経理部長の塩谷から詳細をご説明いたします。

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当四半期では、当社の資源・エネルギー分野の力強さを改めて示すとともに、鉄鋼製品、機械・インフラを中心に、非資源分野も順調な伸びをみせたことから、利益、基礎営業キャッシュ・フローとも、想定を大きく上回る進捗となりました。

経営成績サマリー

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それでは、資料の3ページをご覧ください。第3四半期の経営成績サマリーについて、ご説明します。

当四半期の世界経済は、堅調な消費や投資に支えられ、先進国・新興国ともに順調な回復が継続しました。この良好な経営環境の下、当第3四半期利益は3,768億円となり、昨年(2017年)11月に公表した、従来予想に対する進捗率は94パーセントに達しました。

資源・エネルギーの高い収益力と好調な鉄鋼製品・高いインフラに加えて、米国税制改正に伴う利益計上が業績に貢献しました。基礎営業キャッシュ・フローは、堅調な業績に加えて、発電事業を中心とした持分法適用会社からの配当増加の結果、5,496億円の獲得となり、従来予想に対する進捗率は92パーセントとなっています。

また、基礎営業キャッシュ・フローの拡大に加えて、戦略的リサイクルを継続的に行うと同時に、厳格な投資規律に則り、投資を慎重に進めた結果、運転資本及び定期預金の増減を除く、フリー・キャッシュ・フローは3,766億円の黒字となりました。

これら第3四半期の実績をふまえ、通期業績予想を上方修正し、当期利益は400億円増加の4,400億円、基礎営業キャッシュ・フローは700億円増加の6,700億円といたします。

当期利益、基礎営業キャッシュ・フローともに、史上最高となります。

また、基礎営業キャッシュ・フローが、中期経営計画公表時の想定を上回って拡大していることから、年間配当金の増額並びに自社株買いを実施いたします。

年間配当金は、1株当たり10円増額の70円とし、また自社株買いは取得総額500億円を上限に実施し、その後昨年2月に取得した自社株と合わせて、全株を消却いたします。

この結果、配当金と自社株買いと合わせて、今年度の株主還元総額は、約1,725億円となる見込みです。引き続き、当社を取り巻く経営環境に十分に留意しながら、史上最高となる修正業績予想の達成に向けて、全力で経営にあたってまいります。

重点施策 ①強固な収益基盤づくりと既存事業の徹底強化

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4ページをご覧ください。中期経営計画の1つ目の重点施策である、強固な収益基盤づくりと既存事業の徹底強化の進捗について、ご説明いたします。

中核分野は、当四半期利益の合計が3,708億円、基礎営業キャッシュ・フローの合計は4,856億円となりました。

金属資源・エネルギーは、米国税制改正による一過性の損失があったものの、好調な豪州鉄鉱石・石炭事業や、LNG事業からの配当増に加え、エネルギー各事業におけるコスト削減や数量増もあり、当四半期利益は2,643億円と、従来予想に対し堅調な進捗を示しました。また、基礎営業キャッシュ・フローも3,202億円と、極めて高い進捗となっています。

機械・インフラは、FPSOが新規にチャーターインするなど、事業全般が概ね従来予想どおり推移していることから、当四半期利益は790億円に達し、基礎営業キャッシュ・フローは持分法適用会社からの配当増加もあり、1,288億円となりました。

化学品は、米国税制改正による一過性の利益や、堅調なメタノール事業を主因に、当四半期利益は275億円と高い進捗率となっていますが、基礎営業キャッシュ・フローは366億円と、ほぼ計画どおりの進捗率となっています。

また、米国税制改正の影響を含む評価性損益を除いた当四半期利益は、約3,300億円に達しており、その内、金属資源・エネルギーで1,900億円、非資源分野でも1,400億円レベルまで伸びております。

今後も、既存事業の競争力強化を通じた、強固な収益基盤づくりを徹底的に進めてまいります。

重点施策 ②新たな成長分野の確立

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5ページをご覧ください。2つ目の重点施策である、新たな成長分野の確立における第3四半期の主要な取り組みについて、簡単にご説明します。

まずモビリティ分野では、EV関連事業で進展がありました。環境意識の高まりを背景に、欧州・中国を中心に、モビリティの電動化が本格化するなか、当社はポルトガルの電気バス製造会社であるCaetanoBus、フランスの電池システム製造会社Forsee Power、EV用電池を利用した電力事業を展開するThe Mobility Houseに、出資参画しました。

出資先各社の企業価値向上に取り組むとともに、当社の総合力の発揮により、欧州の先進的ビジネスモデルの事業化に取り組みます。

ヘルスケア分野では、先般公表した通り、ロシアのR-Pharmに出資参画しました。当社のネットワークを活用して、日欧米の製薬会社からR-Pharmへの新薬の導入を加速すると同時に、コストの最適化・製造技術のさらなる向上を通じて、同社のバリューアップに寄与してまいります。

ニュートリション・アグリカルチャー分野では、主に東アフリカで農産物・農業資材取引や、食品製造販売事業を展開するETC Groupへの出資参画に合意しました。

成長分野の1つである、ニュートリション・アグリカルチャー分野の事業基盤を拡充すると同時に、アフリカ地域でのインフラ事業の共同展開など、事業の多角化を推進してまいります。

重点施策 ③キャッシュ・フロー経営の深化と財務基盤強化①

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6ページをご覧ください。重点施策の3つ目である、キャッシュ・フロー経営の深化と財務基盤の強化につき、まずキャッシュ・フロー・アロケーション実績についてご説明します。

順調な業績の向上と、持分法適用会社からの配当の増額により、基礎営業キャッシュ・フローが5,500億円の獲得となり、戦略的資産リサイクルと合わせて7,800億円のキャッシュ・インとなりました。

一方、投融資4,000億円に加えて、すでに支払済みの中間配当金525億円を足した4,525億円が、キャッシュ・アウトとなり、その結果、株主還元後のフリー・キャッシュ・フローの実績は、3,275億円の黒字と極めて順調に進捗しています。

中経公表時の想定を上回る基礎営業キャッシュ・フローの拡大に伴い、中経期間累計のフリー・キャッシュ・フローの上振れを見込むことから、今般、追加株主還元を決定いたしました。

詳細については後ほど、株主還元方針のページでご説明します。

重点施策 ③キャッシュ・フロー経営の深化と財務基盤強化②

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7ページをご覧ください。次に、バランスシートについてご説明します。

好調な業績を背景に、財務基盤の強化も着実に進んでおります。2017年3月末と比較して、当四半期末はNet DERが0.13ポイント下がり、0.75倍まで改善となり過去最低となりました。

またハイブリッドローン調整後のNet DERは0.65倍まで改善しており、今後さらなる財務基盤の強化を推進していきます。

株主還元方針

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8ページをご覧ください。最後に、株主還元方針についてご説明いたします。

先にご説明しました通り、基礎営業キャッシュ・フローの拡大に伴い、増配と自社株買いを実施いたします。配当については、予想年間配当金を1株当たり10円増額し、70円といたします。中間配当金としてすでに30円をお支払済みですので、期末配当金が40円となります。

自社株買いについては、取得総額500億円、または取得株式総数3,000万株を上限として実施し、今後はこれを消却いたします。また、(2018年)2月2日時点で保有している自社株の内、2,800万株も同時に消却いたします。スケジュールなど詳細については、経理部長(塩谷氏)より後ほどご説明いたします。

その結果、配当金と自社株買いを合わせて、本年度の株主還元総額は約1,725億円となる見込みであり、基礎営業キャッシュ・フローに対する総還元性向は、26パーセントとなります。今後も業績の向上を通じた配当金額の継続的増加を目指すと同時に、中経の定量目標である、2020年3月期にROE10パーセントの、確実な達成に向けた施策を継続してまいります。

以上で私から説明を終わり、続いて経理部長の塩谷より、当四半期業績の詳細をご説明いたします。

四半期利益 セグメント別前年同期比 増減要因

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塩谷公朗氏:経理部長の塩谷です。それでは第3四半期業績の詳細について、ご説明いたします。10ページをご覧ください。

まず当四半期利益の増減について、セグメント別にご説明します。当四半期利益は、前年同期比1,465億円増加の3,768億円となりました。

金属資源は、1,293億円増益の2,293億円の利益となりました。Valeparの再編に伴う評価益や、石炭・鉄鉱石価格の上昇による豪州石炭・鉄鉱石事業の増益が主な要因です。

エネルギーは、シェール関連事業の持株会社であるMEPUSホールディングスにおいて、米国税制改正に伴う繰延税金資産の取崩がありましたが、一方、LNG配当金の増加や、ガス価格の上昇及びMarcellus一部売却による、MEPUSAの増益を主因に、114億円増益の350億円の利益となりました。

機械・インフラは、271億円増益の790億円の利益となりました。英国揚水発電所売却による利益が、主な要因です。

化学品は、メチオニン価格下落に伴うNovusの減益はありましたが、米国ターミナル事業会社ITCにおける、米国税制改正に伴う繰延税金負債の取崩収益を主因に、29億円増益の275億円の利益となりました。

鉄鋼製品は、Gestampの新規連結取込みや出資に伴う価格調整条項による評価益に加えて、製品の市況回復及び取扱数量の増加もあり、176億円増益の221億円の利益となりました。

生活産業は、540億円減益のマイナス267億円となりました。Multigrainに関連する損失や、前年同期におけるIHH株式一部売却による利益の反動が、主な要因です。

次世代・機能推進は、中国の医薬品開発会社のハチソン・チャイナ・メディテックの構成価値評価益があったものの、新興国における携帯通信事業の構成価値評価損や、インドネシア通信事業の不調を主因に、16億円減益の53億円となりました。

基礎営業キャッシュ・フロー セグメント別前年同期比 増減要因

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11ページをご覧ください。基礎営業キャッシュ・フローの前年同期比増減について、利益の増減とは異なる要因を中心に、セグメント別にご説明します。

当四半期の基礎営業キャッシュ・フローは、全体で前年同期比2,007億円増加の5,496億円の獲得となりました。

(主な増減要因の)上から3項目目にあります機械・インフラでは、IPP事業からの配当金の受取増加を主因に、768億円増加の1,288億円となりました。

化学品では、堅調なメタノール事業や、トレーディングによる一部カバーはあったものの、Novusでのメチオニン価格の下落による売上総利益の減少を主因に、48億円減少の366億円の獲得となりました。

生活産業では、好調な流通関連事業を主因に、38億円増加の131億円の獲得となりました。

次世代・機能推進セグメントでは、FVTPLによる売上総利益の増加を主因に、48億円増加の57億円となりました。

四半期利益 要素別前年同期比 増減要因

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12ページをご覧ください。ここでは当四半期利益を前年同期と比較し、その増減を要素別にまとめています。

まず基礎収益力ですが、当四半期ではNovusやMultigrainの減益に加えて、Valeparの再編に伴う取込み益の減少がありましたが、LNG配当金の増加や鉄鋼製品での利益増加を主因に、前年同期で約80億円の増加要因となりました。

次に資源コスト・数量は、マイニングプランの変更に伴う石炭のコスト増はありましたが、エネルギーでのコスト削減効果を主因に、30億円の増益要因となりました。

資産リサイクルは、前年同期のシムズ社の区分変更に伴う利益やIHH株の売却益の反動がありましたが、英国発電事業や国内ビルの売却を主因に、10億円の増益要因となりました。

一方、市況・為替は、主に石炭、鉄鉱石、原油・ガス価格の上昇により、780億円の増益要因となりました。

また評価性は、Multigrainの著しい事業環境悪化に伴い、引当金を計上しました。一方、Valeparの再編に伴う評価益や米国税制改正を主因に、560億円の増益要因となりました。

資産サイクル・投融資

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13ページをご覧ください。当四半期の資産リサイクル及び投融資の実績について、ご説明します。

資産リサイクルは、当四半期累計で2,300億円の獲得となり、着実な進捗がみられました。一方、投融資は全体的に慎重に推進していることから、合計で4,000億円のキャッシュ・アウトに留まりました。

主な案件としては、中核分野では上半期からの継続案件に加えて、海洋エネルギー関連事業に伴う支出などがありました。また、成長分野ではR-Pharmへの出資実行や、CIMへの資金支出などがありました。

当期利益 2018年3月期 業績予想(修正)

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14ページをご覧ください。これまでご説明した当四半期の実績をふまえ、通期業績予想についてご説明します。

当期利益は400増加の、4,400億円に上方修正しました。主な修正セグメントとして、石炭価格の上昇に加え、持分法適用会社からの配当増加に伴う身分配利益税効果の取崩が、金属資源で200億円の増加となっています。

Gestamp関連の評価益があった鉄鋼製品で、100億円の増加となっています。

第4四半期に、MBK Healthcare Partnersの未分配利益税効果の取崩を見込む生活産業で、100億円の増加となっています。

一方、エネルギーはLNG配当増加があるものの、米国税制改正の影響を主因に、100億円の減少としています。

基礎営業キャッシュ・フロー 2018年3月期 業績予想(修正)

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15ページをご覧ください。基礎営業キャッシュ・フローの通期業績予想について、ご説明します。

基礎営業キャッシュ・フローは、700億円増加の6,700億円に上方修正しました。主な修正セグメントとして、金属資源では持分法適用会社からの配当増に加え、石炭価格の上昇を主因に、250億円増加しました。

エネルギーでは、コスト削減や生産量増加、LNG配当増を主因に、250億円の増加としています。

先ほど松原がご説明した通り、修正した業績予想を達成しますと、当期利益、基礎営業キャッシュ・フローとも、史上最高となります。

株主還元

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16ページをご覧ください。最後に、自己株式取得及び消却の実施に関する詳細をご説明します。

自己株式取得については、当社適時開示の通り、当社普通株式を取得総額500億円、または取得株式総数3,000万株を上限として、本日(2018年2月5日)より3月23日までの間、東京証券取引所における市場買付を行います。

消却については、今回取得する自己株式のすべて、及び公表時点で取得済みの自己株式のうち2,800万株を消却いたします。消却する株式の総数は、最大で発行済み株式総数の約3.3パーセントに相当します。なお、消却の実行は4月20日を予定しています。

以上で、説明を終わらせていただきます。

記事提供:ログミーファイナンス

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