1. 「年金支給額」と「手取り額」の違い。年金から天引きされるもの

10月からの年金支給額が異なる理由の前に、まずは「年金支給額」と「手取り額」の違いを確認しておきましょう。

年金からは、所定の条件を満たしている場合、介護保険料や国民健康保険料、住民税、所得税が天引きされます。

天引き前の金額が「年金支給額」で、天引き後、実際に受け取れる金額が「手取り額」です。

上図は、「年金振込通知書」の見本です。

天引き前の年金支給額が、「年金支払額」に記載されます。また、天引き後の手取り額は「控除後振込額」に記載されます。

介護保険料や国民健康保険料、住民税は前年の所得により金額が異なるため、年金支給額が同じでも天引きされる金額が多くなると手取り額が減少します。

2. 【公的年金】8月支給と10月支給の手取りが変わる理由3つ

では本題の、年金の手取り額が8月支給分までと10月支給分から異なる理由について解説していきます。主な理由として次の3つが挙げられます。

2.1 前年の所得が前々年よりも増えたため

国民健康保険料や住民税は前年の所得に基づいて計算されるため、所得が増えていれば、その分納める金額も高くなります。

介護保険料は住民税が決定してから決定されるため、やはり所得の増減が影響するといえるでしょう。

年金を受給しながら働いて収入を得た場合や、投資信託や不動産売買で臨時収入を得た場合など、所得が増えるケースがあります。

所得が増えれば国民健康保険料や住民税が高くなり、実際に年金受給において反映されるのは基本的に10月支給分からとなります。

そのため、8月支給分と10月支給分とで金額が異なる可能性が出てくるのです。