2. 現在、シニア世代は「経済的な心配がない」状態で生活できているのか

高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査より、経済的な不安に関する質問

高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査より、経済的な不安に関する質問

出所:内閣府「令和5年版高齢社会白書」

内閣府が公表した「令和5年版高齢社会白書」では、75歳以上の12.5%が「家計にゆとりがあり、まったく心配なく暮らしている」と回答。57.8%が「家計にあまりゆとりはないが、それほど心配なく暮らしている」を選択しました。

双方をあわせると、シニア世代の約7割は家計を心配していない結果になりました。65歳から74歳までの世代、高齢者全体で結果をみても傾向は大きく変わっておらず、大半の高齢者は家計を心配せずに生活しているといえます。

ただし今回の調査で、日々の生活費に「多少なりとも不安」を感じるシニア世代が約3割程いることも見逃せません。

3. 早い段階から、老後に向けた「計画的な資産形成」を意識して

これから老後を迎える世帯にとっては、退職金や年金が老後生活を支える要となります。

貯蓄と年金をメインに生活する老後生活をイメージしたときに、資産計画を不安に感じている人は少なくないでしょう。

今までの貯蓄や退職金を切り崩して老後生活を生きていくことになるため、計画的に考える必要がでてきます。

安定した老後を過ごすため効率的に資産を増やす方法として資産運用を検討してもよいかもしれません。2024年からスタートした新しいNISA制度の活用も検討したいところです。

投資には元本割れのリスクが伴いますが、長期的に捉えることでそのリスクを軽減してくれる効果が期待できます。

運用を始めるタイミングに「遅すぎる」ということはありません。自分にあった方法を探していきましょう。

3.1 【参考】70歳代・二人以上世帯の貯蓄額一覧表(金融資産を保有していない世帯を含む)

  • 金融資産非保有:18.7%
  • 100万円未満:5.9%
  • 100~200万円未満:4.1%
  • 200~300万円未満:2.8%
  • 300~400万円未満:4.0%
  • 400~500万円未満:2.2%
  • 500~700万円未満:7.5%
  • 700~1000万円未満:6.5%
  • 1000~1500万円未満:10.3%
  • 1500~2000万円未満:7.1%
  • 2000~3000万円未満:10.0%
  • 3000万円以上:18.3%

参考資料

荒井 麻友子