2. 繰り上げ返済or住宅ローン控除、優先順位は金利で決まる

金利が上昇した場合、返済額の増加負担に対応するためには繰り上げ返済を行うことが有効です。

ただし、住宅ローン控除の適用期間内の場合は、年末調整や確定申告で還元される金額が少なくなってしまう可能性があります。

では、繰り上げ返済と住宅ローン控除はどちらを優先させるべきなのでしょうか。

それは現在の住宅ローンの借入金利によって決まります。

現在住宅ローンを借りている人で控除の適用期間内の人は、住宅ローンの年末残高に対して0.7%もしくは1.0%の所得税額控除を受けることができます。

繰り上げ返済を行うべきかどうかは、適用されている控除率と借入金利のどちらが高いかで考えるとよいでしょう。

たとえば、住宅ローンの控除率が0.7%で借入金利が1.2%の場合、控除による還元よりも利息の負担の方が大きいため、控除期間内であっても繰り上げ返済を行ったほうがよいといえます。

一方、住宅ローン控除率が1.0%で借入金利が0.8%の場合、利息の負担よりも控除による軽減効果の方が大きいため、あわてて繰り上げ返済を行う必要はないかもしれません。

3. 控除期間が終わったら繰り上げ返済すべき?

では、住宅ローン控除の適用期間が終了したら繰り上げ返済を行うべきなのでしょうか。

もし、今後金利が上昇して返済額の負担が増加したら、繰り上げ返済を行うことによって全体の返済額を抑えることができます。

金利上昇による影響が不安な場合は、一部繰り上げ返済を考えてもよいでしょう。

ただし、繰り上げ返済は手続きの際に手数料が発生することがあります。

手数料の金額は金融機関によって異なりますので、事前に確認しておくことがおすすめです。

また、繰り上げ返済を行うことで手元の現金が減ってしまうことも考慮しなければなりません。

「今後急な出費があったときに対応できるか」など、しっかりと家計の収支を考えたうえで繰り上げ返済を行うかどうかを決めるようにしましょう。