2. 月15万円を15年間稼ぐと年金は約1万2000円増

では、45歳専業主婦の方が60歳まで月収15万円を稼ぐと、年金はどのくらい増えるのかをシミュレーションしていきましょう。

1日7時間働き、日給8000円を得るとします。1ヵ月に19日勤務すると、15万2000円を得られる計算です。前章で解説したように、週の所定労働時間が20時間以上あり月額賃金が8万8000円以上あれば、厚生年金の加入対象者になるため、このケースの場合も加入可能です。

厚生年金の計算において、「報酬比例部分」が年金額の計算のもとになります。報酬比例部分は、厚生年金への加入期間や報酬(年収)などによって決まり、平成15年4月1日以降は以下の計算式で求めます。

平均標準報酬額×5.481/1000×[平成15年4月以降の加入期間月数]

上記の計算式に当てはめると、以下のように計算できます。
報酬比例部分=15万円×5.481/1000×180月=約14万8000円

年額で約14万8000円増やすことができるため、月額にすると約1万2300円増額できる計算です。

「思ったほど増えない」と感じた方もいるかもしれません。しかし、年間約14万8000円が増えると、20年間で296万円、25年間では370万円が増額されることになります。

ちなみに、65歳まで働いた場合は年間約19万7000円増額でき、月額にすると約1万6400円を増やせます。20年間では394万円、25年間では492万5000円です。勤務年数を増やすと、将来受け取れる年金額も増やせることになります。

なお、このシミュレーションは簡略的なものであり、実際には異なります。あくまでも例として参考にしてください。

3. まとめにかえて

老後の年金受給額を増やす方法として、パートやアルバイトなどで働き厚生年金に加入する方法があります。厚生年金は、現役時代の年収が高いほど、また、厚生年金への加入期間が長いほど受給額が高額になります。

現在専業主婦でも、60歳まで働き月15万円稼ぐと、年金は月額約1万2000円増額できる可能性があります。月額で見ると少額でも、20年間では約300万円も増額可能です。

将来の年金額を増やしたい方は、働いて厚生年金へ加入するのもおすすめです。

参考資料

木内 菜穂子