2023年ももう終わります。

去年から続く、さまざまな面での物価高。「貯蓄をしたくてもできない」「老後資金より今の生活が大変」という方もいるでしょう。

一般的には「収入が少ないから貯蓄できない」印象がありますが、実は収入が多くても貯蓄が難しいご家庭もあるものです。

今回は世帯年収1000万円の家庭に視点をあてて、その貯蓄額と貯蓄ができない理由を見ていきましょう。

1. 世帯年収1000万円以上だけど「貯蓄ゼロ」の割合とは

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」によると、年収1000万円~1200万円未満の世帯の貯蓄の状況は以下のとおりです。

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」をもとに筆者作成

1.1 「世帯年収1000〜1200万円未満世帯」の貯蓄額一覧表

  • 非保有:12.2%
  • 100万円未満:5.3%
  • 100万円~200万円未満:6.1%
  • 200万円~300万円未満:1.6%
  • 300万円~400万円未満:3.3%
  • 400万円~500万円未満:3.3%
  • 500万円~700万円未満:4.1%
  • 700万円~1000万円未満:9.8%
  • 1000万円~1500万円未満:13.1%
  • 1500万円~2000万円未満:5.7%
  • 2000万円~3000万円未満:9.8%
  • 3000万円以上:23.7%
  • 未回答:2.0%

貯蓄ゼロの割合は、「年収1000〜1200万円未満」で12.2%であり、約10世帯に1世帯は貯蓄ゼロだとわかります。

また、貯蓄100万円未満の世帯は、「年収1000〜1200万円未満」の世帯で17.5%。

年収1000万円以上でも、6〜7世帯に1世帯はまとまった貯蓄ができていません。