4.2 国民年金の繰上げ・繰下げ受給

つづいて、同資料より国民年金の繰上げ・繰下げ受給について見ていきましょう。

国民年金(5年年金を除く)の受給権者の繰上げ・繰下げ受給状況をみると、繰上げ率は2018年以降、年々低下する一方で、繰下げ率は上昇傾向にあることが分かります。

2022年末現在の基礎のみ・旧国年の受給権者の繰上げ率は 25.7%、繰下げ率は2.0%。繰上げ率は前年から1.3%も減少しています。

2022年度末時点で70歳の老齢基礎年金の繰上げ・繰下げの受給状況も見ておきましょう。

2022年度末現在で70歳の基礎年金のみの受給権者の繰上げ率は14.2%、繰下げ率は3.3%という結果に。

2018年時点では繰上げ率18.8%、繰下げ率1.7%でしたので、こちらも繰上げは減少傾向、繰下げは上昇傾向となっています。

5. まとめにかえて

本記事では、厚生労働省年金局の最新資料より2022年度末現在の平均年金月額を確認してきましたが、年金収入だけで長い老後生活を送るのは難しいと感じた方が多いのではないでしょうか。

近年、日銀が目標とする2%を上回る物価上昇が続いています。物価は上がれど、収入は増えない、厳しい状況が続いています。

2023年度の公的年金は増額改定となったものの、年金制度を維持するために平均寿命や年金被保険者数を鑑みて行われるマクロ経済スライド調整により、実質的には目減りとなりました。

あくまでも現行制度・現行の給付水準のものですが、少子高齢化が深刻化する日本において、これから先、大きく年金支給額がアップするとは考えにくいでしょう。こうした中、現役世代の人たちができることはやはり老後資金を準備しておくこと。

貯蓄にまで手が回らないという方は少なくないと考えられますが、少しずつ老後に向けて資金を積み上げていきたいものです。

参考資料

和田 直子