新型コロナウイルス感染症の5類移行後、はじめて迎える年末年始。ここ数年控えていた実家への帰省を計画している家庭も多いでしょう。

年末年始の帰省は介護のきっかけをつかむ大切な機会でもあります。シニア世代の親の、健康状態や認知面、そして「資産状況」はある程度把握しておけると良いですね。

今回は「介護のお金」についてのお話。普段は話題に出しにくい「将来の介護」について、親子で話し合うきっかけになればと思います。

1. 65歳以上の85.2%が「介護費用は自分のお金から」

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年を重ねると自分で金銭管理を行うことが難しくなるケースも増えます。

ある程度の年齢になったら、老親の資産状況をざっくりとでも知っておけると良いですね。介護度が上がったときに見通しを立てやすくなるかもしれません。

ちなみに内閣府の「令和4年 高齢者の健康に関する調査結果」では65歳以上の実に85.2%が、介護が必要となった場合、介護費用を自分自身の資産から捻出すると回答しています。

ただし、

  • 介護費用は投資信託や株式を売却してまかなう予定だった
  • 持ち家を処分して老人ホームの入居費用に充てるつもりだった

といった計画を立てている場合は要注意。

認知症が進行して判断能力が衰えると金融機関の口座が凍結されてしまったり、不動産の売買契約ができなくなってしまったりする可能性があります。

親の資産は「本人のために」しっかりと有効活用したいもの。必要に応じて任意後見や家族信託などの制度の活用を検討していくのも有効でしょう。