2024年1月、いよいよ新NISAが始まります。

新NISAに向けてすでに投資戦略を練っている方もいる一方で、投資に興味があるものの、二の足を踏んでいるという方もいるでしょう。

今回は、年収400万円・46歳女性の「今から新NISAの積立投資で老後資金を貯めるのは無謀ですか?」というご質問に対し、積立投資のシミュレーションを交えてお答えしていきます。

1. 新NISAの積立投資で老後資金を貯めるのは「無謀」ではない

結論から言えば、「46歳女性・年収400万円」でも新NISAを利用して老後資金を貯めるのは無謀ではありません。

老後を65歳と仮定すれば投資期間を約19年間確保できるので、長期間の分散投資によってリスクを軽減しつつ、比較的安定した運用益が期待できます。

ただし、積立投資を始める前に考慮すべきポイントもいくつかあります。

2. 積立投資を始める前に考慮すべきポイント

長期間の積立投資は初心者にもおすすめですが、投資にはリスクがあることを理解し、毎月の投資額は無理のない範囲で設定することが大切です。

2.1 毎月いくら投資に回せるのか

多くの資金を積み立てるに越したことはありませんが、投資に回せる資金は家庭によって異なります。

積立投資は長期間続けることが何よりも重要なので、毎月の積立金額は無理のない範囲で設定することが大切です。

「年収400万円」であれば、毎月の手取り額は25~26万円(個人差あり、ボーナスを加味せず)と想定されますが、いくら投資できるかは支出状況によって異なります。

一例として、総務省統計局の「家計調査 家計収支編」から、年収階級別の平均的な消費支出を見てみましょう。

【単身世帯】

  • 年収300~400万円:16万5243円
  • 年収400~500万円:18万8701円

【二人以上世帯】

  • 年収350~400万円:23万6584円
  • 年収400~450万円:25万5079円

単身世帯なら16~18万円、二人以上世帯なら23~25万円あたりが平均値となっています。

仮に、毎月の支出が約18万円、手取り額が約26万円であれば、約8万円が残る計算です。しかし、これをすべて投資に回せるのかといえば、そうではありません。

貯蓄が不十分な場合、突発的な支出が発生すると生活が苦しくなる可能性があります。また、余剰資金の一部はリスクのない預貯金に回すことも大切です。

ある程度の余裕を持ちながら積み立てるなら、月1~3万円程度に留めておくのが無難といえるでしょう。

2.2 どのくらいのリスクを許容できるのか

新NISAの「つみたて投資枠」では投資信託を積み立てることができますが、商品によってリスクとリターンが異なります。

一般的に、「株式」の組入比率が高い商品ほどリスクが高くなり、「債券」の組入比率が高いほどリスクは低くなります。

リスクが高い商品ほど期待できるリターンも大きくなりますが、なるべくリスクをかけたくないという方は注意が必要です。

とはいえ、投資信託は複数の資産や銘柄に分散投資するものであり、長期投資なら買付タイミングも分散できます。

相対的にリスクが低い投資方法ではありますが、長期間解約せずに積み立てることが大前提となるので、長く保有したいと思える商品を選ぶことが大切です。

3. 「月1~3万円」積立投資シミュレーション

「46歳女性・年収400万円」が積立投資をした場合の一例として、月1~3万円ずつ積み立てたケースを見てみます。

なお、積立期間は19年間(65歳まで)、想定利回り(年率)は3%と仮定します。

3.1 月1万円・19年間の積立投資

まずは、月1万円ずつ、19年間積み立てたケースを見てみましょう。

月1万円ずつ積み立てた場合、投資元本が228万円、運用収益が78万8000円となります。

仮に、銀行預金で貯蓄した場合は、19年間で200円程度の利息しか付きません(メガバンクの普通預金金利0.001%で計算した場合)。

老後資金としては心もとないかもしれませんが、銀行預金と積立投資では大きな差が付く可能性があります。

3.2 月2万円・19年間の積立投資

続いて、月2万円ずつ、19年間積み立てたケースです。

月2万円ずつ積み立てた場合、投資元本が456万円、運用収益が157万6000円、元利合計で613万6000円となります。

3.3 月3万円・19年間の積立投資

最後に、月3万円ずつ、19年間積み立てたケースを見てみましょう。

月3万円ずつ積み立てた場合、投資元本が684万円、運用収益が236万4000円です。

毎月3万円を無理なく投資に回せるならば、元利合計で約920万円の老後資金を準備できる可能性があります。

ただし、上の図表はあくまでもシミュレーションであり、実際の運用結果は相場状況などによって異なる点には注意が必要です。

4. まずは家計収支の把握を

「46歳女性・年収400万円」でも、新NISAを利用した積立投資は「無謀」とはいえません。

ただし、毎月の積立額は無理のない範囲で設定し、途中解約せずに長く続けることが前提となります。

まずは家計収支を把握して「いくら投資に回せるのか」を考え、家庭の状況やリスク許容度に合わせた投資戦略を立てましょう。

参考資料