2023年12月7日に発表された、株式会社コラントッテ2023年9月期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:株式会社コラントッテ 代表取締役社長 小松克已 氏
株式会社コラントッテ 取締役管理統括本部長 井阪義昭 氏

2023年9月期決算説明

小松克已氏(以下、小松):本日はご多忙のところ、お時間をいただき誠にありがとうございます。株式会社コラントッテ代表取締役の小松克已です。ただいまより、2023年9月期通期決算についてご説明します。

INDEX

当社の会社概要、2023年9月期の決算概要、今後の成長戦略および2024年9月期の業績見通しについてご説明します。最後に株主還元施策についてもお話ししますので、よろしくお願いします。

会社概要

まずは当社の会社概要についてご説明します。当社は、1997年10月に設立しました。みなさまにご支援いただいたおかげで、2023年9月期で25周年目を迎えることができ、現在は26周年目に入っています。創業時より、医療機器である家庭用磁気治療器を柱として、健康関連製品の製造販売を事業内容としています。

創業の経緯

創業の経緯です。私の父が脳梗塞で倒れた際、左側の手足がしびれてしまいました。右側は正常でしたが、寝返りが打ちにくい状態のため、父は「痛い、痛い」と言っていました。

私が磁石に詳しかったため、スライド右下の写真のサポーターを父に着せました。これは寝たままでも着られるようになっているサポーターで、磁石のN極とS極が交互に配列しています。これを着せたところ、父の場合は2日ぐらいで良くなりました。脳梗塞が良くなったのではなく、寝返りが打ちにくくて痛んだ右肩が治りました。

病院でも、サポーターに対して「何を着ているの?」と興味を持ってもらい、流行るようになりました。先生方がこのサポーターを着た際、20分から30分で「背中がチリチリするね」と言うので、「磁石のN極とS極を交互に配列しているんです」と答えると、「これはすごく血行に良いよね」「ぜひ商品として作るべきだ」と言ってもらえました。このことがきっかけで、当社のウェアやウエストベルトの原点となりました。

経営理念

当社の経営理念は「本気の笑顔の実現」です。私自身、人を幸せにする一番身近な方法は、本気の笑顔だと若い頃に確信し、それを会社の経営理念としました。

現在は「今日も、笑顔のそばにいる。」をスローガンとして、プロモーションの展開なども行っています。

事業ストラクチャー

事業ストラクチャーです。先ほどの経営理念を実現するため、健康に関する領域と生活不安に関する領域の2領域を設けています。

健康に関する領域には、磁気治療器がベースとなる「コラントッテ」と「コラントッテRESNO」があります。また、女性に受け入れられやすいデザインを豊富に取り揃えたブランド「Lierrey」を展開しています。

そして、生活不安に関する領域としてCSS事業があります。

Colantotte 製品ラインナップ

スライドは、当社が製造販売している主な製品の一覧です。ネックレス、ループ、枕、サポーター、ウェアなど、首、肩から足先までほぼ全身をカバーしており、磁気治療器としては業界トップの商品アイテム数を展開しています。

市場環境 当社のターゲット層 市場規模イメージ

当社が想定している主要ターゲット層についてご説明します。当社は磁気治療器を主力製品としており、その製品は人々の血行の改善、こりの緩和に効果を発揮します。

日本国内において、肩こり、腰痛などの自覚症状を感じている方は、推定で1,700万人いるとされています。その中には、当社の商品を使っている方も多数いると思いますが、まだ利用していない方もたくさんいると思われます。

自覚症状のある方をターゲットとすることはもちろんのこと、今後はスポーツを日常に取り入れている方々に対する疲労回復や、パフォーマンス向上に寄与する商品も積極的に開発し、利用していただきたいと考えています。

日本人と「肩コリ」 の関係

特に日本人が体の不調を感じている部位の上位2つは、肩こりと腰痛です。新型コロナウイルスによる外出制限が長引いたことで、運動不足を感じている方も多いと思います。あるいは在宅勤務が普及したことによるデスクワーク時間の長さも影響しているかもしれません。

肩こり、腰痛を軽減することが、より健康的に元気な生活を送る上で、重要な要素になっていると想定しています。

「身体のコリ対策」 市場の構造

身体のこりの対策としての対応と価格帯、市場規模についてスライドに記載しています。

肩や腰の痛みやこりを緩和するため、取れる手段はたくさんあります。体操やストレッチなどを行い、費用をかけない方法から、マッサージなどのサービスを受ける方法、湿布薬や飲み薬などを服用する方法、健康器具などを利用する方法など、さまざまです。

当社は家庭用磁気治療器を取り扱っており、カテゴリーとしては、スライドの右上にある「器具を利用する」の部分に入ります。現在、このカテゴリーの市場規模は2,200億円と推定されています。

家庭用永久磁石磁気治療器における当社ポジション

家庭用磁気治療器を扱っている他社との違いをご説明します。国内の主な取り扱い企業である2社と比較した資料です。A社の磁気治療器は、ネックレスが13種類、サポーターなどが3種類あり、価格帯は3,190円から16,280円の範囲で販売しています。

B社の磁気治療器は、ネックレスが6種類、テープタイプなどが20種類あり、価格帯は400円から4万4,800円の範囲で販売しています。

この2社と比較した場合、当社の磁気治療器は、ネックレス、ループ、アパレル、サポーターなど、さまざまな種類を取り揃えています。アイテム数についても70種類以上と非常に多くの商品を展開しています。また、価格は1,650円から88,000円と、2社と比べて幅広い価格帯の商品になっていることが大きな特徴です。

販売チャネル

当社はホールセール、リテール、ECの3つのチャネルで販売しています。

ホールセールは卸売販売です。主にスポーツ関連の卸売店や量販店、さらに家電量販店やテレビ通販など、幅広い取引先へ販売しています。

リテールは当社の直営店舗での販売です。現在は国内で17店舗を運営しており、関東、中部、関西、福岡の主要都市の百貨店やショッピングモールに店舗を出店しています。ECについては自社サイトでの販売に加え、大手ECモールでの自社店舗や越境ECを展開しています。

コラントッテ事業/Colantotte 主要製品

1つ目の健康に関する領域の主力ブランドである「Colantotte」をご説明します。「コラントッテ」ブランドの商品は、現在50種類以上のラインナップがあります。その価格帯は、2万円以上、1万円から2万円未満、1万円未満と、さまざまな種類を取り揃えています。

中でも2万円以上の販売構成比が高いことは、他社と一線を画す高いブランド力や信頼性の表れだと認識しています。

コラントッテ事業/Colantotte

「Colantotte」ブランドの中でも中核となる主力製品が「TAOシリーズ」です。ネックレスは当社の製品の中で最も高い売上構成比となっていますが、その中でも「TAOシリーズ」は、高いデザイン性と効果・効能から人気が高く、ネックレス全体の60.7パーセントを占めています。

コラントッテ事業/Colantotte RESNO

「Colantotte RESNO」は、2023年4月にブランド戦略を変更しました。以前までは、運動・休養・栄養の健康における3大要素をトータルに考え、日々のセルフケア習慣をサポートする製品ラインナップを展開するブランドと位置づけていました。

2023年4月に行ったリブランドでは、睡眠にフォーカスし、質の良い睡眠をサポートする商品を展開するブランドとなりました。ウェアや枕、サプリメントなど、今後もさまざまな商品を展開する予定です。

コラントッテ事業/Lierrey

女性に特化したブランド「Lierrey」を2020年4月より発売しました。当社製品は男女どちらでも利用できるデザインですが、男性スポーツ選手の着用がテレビやネットでよく見られるせいか、男性向けの製品と思われている女性も少なくありませんでした。

しかし、肩こりを感じているのは女性のほうが多いというデータもあり、女性向け製品は、より大きな潜在市場を持っていると考えています。ネックレスはもちろん、ナイトウェアやルームウェアなど、今後も積極的な商品展開を行っていきたいと考えています。

CSS事業

もう1つの事業領域は、生活不安に対する領域であるCSS事業です。CSSは、「コラントッテ・セーフティ・システム」の頭文字を取っています。緊急の医療行為が出先で突然必要になった時に、ご家族と24時間365日、より確実な連絡を取れるシステムとして、緊急時連絡サービスを提供しています。

最大5件の連絡先を登録することが可能で、家族や勤務先などに連絡が行くシステムになっています。

「見せる&魅せる」磁気治療器の新たな市場を創造

当社の最大の強み・特徴は、これまで培ってきたブランド力です。そのブランド力を活用して、「見せる&魅せる」磁気治療器という新たな市場を創造してきました。

医療機器としてのエビデンス -①独自の技術-

「見せる&魅せる」磁気治療器の要素は、「医療機器としての効能・効果」「デザイン性・品質」「多くのアスリートが着用」の3つです。

1つ目に、磁気治療器としての認証を取得しており、効果効能が認められています。当社の商品は「N極S極交互配列」を行うことにより、磁力が点ではなく面で効果を発揮し、より強く広範囲に広がる特徴があります。「N極S極交互配列」の製法は当社の特許であり、他社の磁気治療器と大きく異なる部分です。

N極S極磁力検証動画

N極S極交互配列を、わかりやすく説明した動画を見ていただきたいと思います。

見ていただいた動画と同じように、こちらに「N極S極交互配列」のプレートがあります。もう1つのプレートは、N極ばかりを配列したものになります。

おもしろい実験をしたいと思います。N極だけが並んだ一般的なプレートに鉄の棒を近づけますと、磁石ですので当然鉄の棒はくっつきます。一生懸命くっつこうとしていますが、棒を持ち上げるとプレートは外れてしまいます。

ところが、同じ磁力の磁石を「N極S極交互配列」で並べたプレートでは、棒を持ちあげてもプレートは外れません。これは点ではなく面で広がっているためです。これがコラントッテの最大の特徴となっています。

なぜ他社が「N極S極交互配列」に取り組まなかったのかと言いますと、こちらにはフェライトという磁石を使っているのですが、製品を作ってから一斉に「着磁」を行うため、同極を向いてしまうのです。

コラントッテの場合、1つずつ磁石の状態で着けるため、N極とS極が交互に配列されます。しかしながら、製造中にくっついたり、ミシンの針があればそちらへ飛んでいったりしますので、大量生産が非常に難しく、他社は取り組みませんでした。

当社では製法特許も取得しており、「N極S極交互配列」はコラントッテの大きな特徴になっています。

医療機器としてのエビデンス -②医療機器としての認証・特許-

医療機器としての認証を、日本だけではなく韓国、EUでも取得しており、海外でも認められています。特許については、当社の主力商品である「THEO」シリーズで使用されている紐状磁石を始め、製造方法の特許などを保持しています。

国内だけではなく、イギリス、フランス、ドイツなど海外でも特許を取得しています。

デザイン性にこだわった商品

2つ目の要素はデザイン性・品質です。他社にない豊富なデザインやカラーを揃えています。同時に、熟練職人によるこだわりを持った高付加価値製品をラインナップしており、「魅せる医療機器」の分野を開拓してきたと自負しています。

多彩な競技 契約アスリート

3つ目の要素は、多くの競技において活躍されているアスリートの支持があることです。先ほどご説明したとおり、医療機器としての確かな効果効能や優れたデザイン性・品質から、多くのアスリートに信頼され、ご愛用いただいています。

当社の方針として、当社製品を使用し効果を実感していただくことが、選手契約の大きな要素となっています。現在、約70以上の選手・団体のみなさまと契約していますが、その効果について高く支持いただいていると思っています。

続いて、2023年9月期の決算概要について、管理統括本部長の井坂よりご説明します。

主要業績項目

井阪義昭氏:ただいまご紹介にあずかりました、井阪です。

2023年9月期を振り返ると、新型コロナウイルス感染症が5類に移行したことで行動制限が解除され、緩やかではありますが、全体的に景気が回復してきたと感じています。当社が営む事業についても、強みのあるスポーツ市場では市場環境が好転してきているように思います。

しかしながら、マイナス面として、みなさまご存じのようにエネルギー価格・原材料価格の高騰による物価の上昇や、欧米諸国の金融引き締めによる円安などもあり、プラスとマイナスが入り混じった市場環境だったと考えています。

そのような市場環境の中、2023年9月期の売上高は54億600万円で、前年同期比15.9パーセントの増収となりました。当社としては過去最高の売上高を達成しています。

利益面に関しては、物価の上昇や原材料価格の高騰等のほか、若い世代に向けたCMの広告を打ったこともあり、営業利益は10億1,700万円で、前年同期比6.9パーセントの増益となりました。

経常利益は10億2,700万円で前年同期比7.6パーセントの増益、当期純利益は6億4,500万円で5.7パーセントの増益となりました。

各部門の売上高状況

各部門の売上高状況です。ホールセールについては、インバウンドの増加に加え、既存取引先で大口受注があったことから、売上高は35億6,100万円で、前年同期比8.5パーセントの増収となりました。

リテール部門については、人気アーティストのTHE RAMPAGE from EXILE TRIBEを起用したCMで訴求した結果、集客が非常に好調でした。また、インバウンドの増加により来店客数が増え、売上高は4億4,300万円、前年同期比19.6パーセントの増収となりました。

イーコマース部門についても、先ほどのCM効果に加え、今期は久しぶりに開催された「ワールド・ベースボール・クラシック」での当社契約選手の活躍もあり、認知度が非常に向上しました。その結果、国内の自社サイトや大手ECモールでの自社店舗が非常に好調に推移しました。売上高は14億100万円と、前年同期比38.9パーセントもの大幅な増収を達成することができました。

また、イーコマースの売上構成比は25.9パーセントと、全体の25パーセントを上回る段階まで来ています。

四半期 チャネル別売上推移

四半期のチャネル別売上推移です。スライドには昨年と今期の売上推移を四半期別に記載しています。

昨年は、四半期ごとにそれほど大きな売上の変動はありませんでした。一方で、当第1四半期には、既存取引先からの大口受注があったため、大きく売上が伸びています。スライドの棒グラフに青色で示したとおり、ホールセールの部分が大きく伸びていますが、こちらが大口受注の金額が入った部分になります。

第2四半期にはその反動が若干あり、少し下がっていますが、第3四半期および第4四半期に関しては順調に売上を伸ばしていくことができたと考えています。

四半期 営業利益及び営業利益率推移

四半期別の営業利益と営業利益率の推移です。スライドのグラフを見ると、当期は第2四半期と第4四半期で少し営業利益が下がっています。

第2四半期は、「ワールド・ベースボール・クラシック」にちなんだキャンペーンや販促活動を行いました。また、第4四半期にはテレビCMの広告を打った影響で、利益額がやや少なくなっています。

売上高においては過去最高を継続更新

こちらのスライドでは、過去6期分の売上高の推移をお示ししています。今期の売上高は54億600万円と、過去最高の売上高を達成しました。

スライドのグラフに示したとおり、一番特徴的な伸びを見せているのは、オレンジ色で示したECの部分です。ご覧のとおり順調に成長している様子がわかると思います。

もう1つ特徴的なのは、売上高自体の伸びです。5年前の2018年9月期は24億円弱の売上でしたが、今期は54億円となり、5年前と比べて倍以上に成長しています。

営業利益も6期連続の増益を達成

営業利益と営業利益率の推移です。2023年9月期の営業利益は10億1,700万円となっており、6期連続で増益を達成しています。営業利益率も18.8パーセントで、非常に高い水準を保っています。

成長戦略 基本方針

小松:今後の成長戦略と2024年9月期の業績見通しについてご説明します。

当社は昨年度に、今後の成長戦略の基本方針を作成しました。内容としてはスライドのとおり、大きく5つの方針を立てています。

1つ目は「顧客ニーズに、よりフィットしたブランド・新製品の拡充」、2つ目は「企業&製品に対する認知度&信頼性の向上」、3つ目は「市場の変化に対応したEC販売のさらなる加速」、4つ目は「事業成長を支える生産体制の強化」、5つ目は「さらなる成長につなげるCSS事業の進化」です。

この5つを通じて潜在顧客にアプローチを行い、新たな顧客層の獲得を中心に活動してきましたので、2023年9月期の進捗を含めてご説明します。

I.顧客ニーズに、よりフィットしたブランド・新製品の拡充

1つ目の方針は、顧客ニーズによりフィットしたブランド・新製品の拡充です。2023年9月期では、「コラントッテRESNO」ブランドのコンセプトを「睡眠」に特化させ、ブランドを一新しました。

それまでは「運動・休養・栄養」をトータルにケアするというコンセプトを打ち出していましたが、訴求する範囲が大きく、かえって商品をアピールする力が分散していました。そこでコンセプトを「睡眠」に集中させ、より睡眠の質を向上させるウェアや枕、サプリメントなどをトータルに打ち出すことで、お客さまにもわかりやすいよう、訴求ポイントを明確にしました。

さらに、スライド右側のとおり、新商品の「THEO」シリーズを発売しました。既存商品よりも磁力が強く、素材についてもこだわりの詰まった商品に仕上がっています。さらに、トップ部分がマグネットタイプになっていることで着脱も行いやすくなり、お客さまにも好評です。

II.企業&製品に対する認知度&信頼性の向上

2つ目の方針は、企業と製品に対する認知度および信頼性の向上です。2023年9月期は、LDH JAPAN社に所属されているTHE RAMPAGE from EXILE TRIBEとご縁をいただき、商品企画、キャンペーン、テレビCMとさまざまなコラボレーションを実施しました。

THE RAMPAGE from EXILE TRIBEは、10代から20代のZ世代に人気が高いダンス&ボーカルグループです。彼らを起用することで、当社としても若い世代に対する認知度を広げるチャンスになると考えていました。

SNSに「Colantotte」とTHE RAMPAGE from EXILE TRIBEのコラボユニット「CORAMPAGE」を結成し、『THE RAMPAGE』のメンバーがダンスを考案した「コリトリダンス」を発表しています。

さらに、当社直営店を、神奈川県横浜市の、たまプラーザテラスに新規出店しました。他には、複数の店舗をリニューアルしており、レイアウトの刷新、商品数の拡充などを通じて、お客さまが当社商品をより選んで購入しやすいような店舗を、拡大しています。

それでは、ここでテレビCMと「コリトリダンス」をみなさまにご覧いただきたいと思います。

ご覧いただきありがとうございます。この「コリトリダンス」は、若い一般の視聴者の方が、すぐに同じ動きを真似たりしていて、若い層にどんどん広がっていっています。

III.市場の変化に対応したEC販売のさらなる加速

3つ目の方針は、市場の変化に対応したEC販売のさらなる加速です。グラフは売上高です。2023年9月期については、自社サイトからの売上も好調に推移し、連動させたキャンペーン施策も、非常によい反響がありました。

ECモールは、「Yahoo!」と「楽天市場」に続き「Amazon」でも自社店舗を開設し、さらなる顧客獲得につなげることができました。結果として、昨年と比較して38.9パーセントの大幅増収となりました。

IV.事業成長を支える生産体制の強化

4つ目の方針は、売上の順調な増加に対応できる生産体制の強化についてです。当社は、強みのファブレス経営を展開しており、協力業者との連携が必須です。

協力業者に対しては製法や品質についても細かく指定する必要があるため、生産拠点として確立するまでに、何度も協議を重ねながら商品作りに関わってもらうことになります。そのような協力企業との連携を強化することで、より多くの商品を生産できるような体制を作っています。

V.さらなる成長につなげるCSS事業の進化

5つ目の方針は、さらなる成長につなげるため、CSS事業の進化を推進しています。CSSの特徴とメリットを最大限に活かすため、顧客獲得に向けたビジネスパートナーの拡大と、サービスの付加価値向上に取り組み、いっそうの事業拡大に取り組んでいきます。

なお、CSS事業を始めたきっかけは、私自身が2014年5月に見たニュースです。ある日認知症のおばあさまがポンと電車に乗り、東京から群馬に行ってしまったということでした。その方は発見されたのですが、見つかったのはなんと7年後だったということです。

そのニュースを知った時、自分の妻や母親が7年間もどこにいるかわからないと想像するだけでも、いたたまれない気持ちになり、なんとかできないかと考えました。

「Colantotte」の商品自体は身に着けるものがほとんどだったため、何か役に立てそうだと思い、CSS事業を生み出しました。こちらについては今、日本とアメリカでシステム特許を取得しています。当初は、個人向けに広げようと思っていたのですが、実際は大手企業からもよく理解いただいており、今後は大手企業向けに一生懸命説明を重ねて、一緒に取り組んでいこうと働きかけています。

2024年9月期 業績予想

2024年9月期の業績予想についてご説明します。先ほど触れた成長戦略の基本方針をさらに進めながら、売上利益の拡大に取り組んでいきます。

売上高は55億円で前年同期比1.7パーセント増、営業利益は10億6,000万円で前年同期比4.2パーセント増を予想しています。売上についてはかなり保守的な数字になっていますが、現時点の足元での状況は好調に推移しています。

これも先ほど言いましたが、発表時点では海洋水の問題等で、インバウンドとか海外の市場がどうなるか見えない状態にありました。そのため非常に保守的な数字を入れていたのですが、現時点では、足元高く推移しています。

インバウンドの方もどんどん入ってきていますし、お土産で買っていただく効果で売上も非常に伸びているため、今以上を目指しています。

2024年9月期 業績予想(販売チャネル別)

チャネル別の売上については、ホールセール部門については微減となるものの、リテール部門、イーコマース部門ともに、さらなる成長を見込んでいます。これは先ほどと同様に、より上を目指してがんばっていきます。

株主還元施策(配当)

株主還元についてお話しします。配当施策については、将来の事業展開と経営体制の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、長期的に安定した配当ができるような体制を目指しています。

2021年に上場してから毎年順調に業績を伸ばしており、それに連動して配当金も毎期増配しています。配当性向についても30パーセントを目指していましたが、2024年9月期には30パーセントを超える配当を予定しています。

株主還元施策(株主優待)

株主優待については、昨年より導入しました。株主からの要望が多かったことから、当社商品の効果を株主の方にぜひ体感していただきたいという思いで、保有株式数に応じてクーポンを発行するようにしました。カタログから商品を選びハガキで申し込みすることも可能ですし、寄付を選んでいただくこともできます。2023年9月期においても、引き続き株主優待を実施します。

以上をもちまして、説明会を終了させていただきます。ご清聴、本当にありがとうございました。

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