2.3 老後のリアルな支出事情(単身世帯)
総務省の同資料によると、65歳以上の単身無職世帯の家計収支は【図表4】になりました。
65歳以上の夫婦無職世帯・単身無職世帯の平均支出は「23万6696円」「14万3139円」となっており、ともに毎月約2万円前後の不足が生じています。
なお、国民年金の場合は、厚生年金よりも受給額が半額以下になることから、上記の不足金額よりもさらに増える可能性も大いに考えられます。
ライフスタイルによって支出額は変動しますが、平均的な支出額を参考にご自身の老後のセカンドライフのシミュレーションをしておけると良いでしょう。
3. 今のうちからセカンドライフについて考えておこう
本記事では、60歳代世帯の貯蓄割合について詳しく解説していきました。
貯蓄4000万円以上の世帯割合は全体の18.1%となっており、約5世帯に1世帯が貯蓄4000万円以上を保有していることがわかりました。
しかし現状は、老後を迎える60歳代において「貯蓄が十分にできている世帯」と「貯蓄ができていない世帯」とで二極化傾向にあります。
現代の日本の年金額では、年金だけで生活していくのは難しくなってきているため、平均的な老後の収支を参考に、老後について今のうちから考えておくことが得策です。
まずは、自分がどのくらい年金を受け取れるのか「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認してみることをおすすめします。
参考資料
- 厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)ー2022年(令和4年)平均結果」
- 厚生労働省年金局「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「年金の繰上げ受給」
- 総務省「家計調査報告家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要」
太田 彩子