2.1 老後のリアルな収入事情
老後の大きな収入源は「老齢年金」となるため、事前に老後に受け取れる年金額を確認しておけると良いです。
厚生労働省年金局の「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、60〜69歳の老齢年金の平均受給額は【図表2】のようになりました。
65歳〜69歳の厚生年金の平均月額は「14万3613円」、国民年金では「5万7739円」となっています。公務員や会社員は厚生年金が受け取れますが、そうでない場合は国民年金のみの受給となります。
夫婦ともに厚生年金を受給できれば老後の収入は月28万円ほどとなり、支出を抑えれば年金だけで生活していける可能性があります。
一方で夫婦ともに国民年金の場合は、月の収入が10万円ほどとなるため、年金だけで生活していくには難しいでしょう。
なお、60歳〜64歳の平均月額が65歳以降よりも少ない理由として、「繰上げ受給」が関与しています。
現在日本の老齢年金制度は、原則65歳から受給が開始されますが、65歳よりも早めに年金を受給したい場合は、最大60歳まで受給を早められる「繰上げ受給」が可能です。
しかし、繰上げ受給をすると、受け取れる年金受給額が減額されることから、60歳〜64歳の平均月額が低くなっているのです。
繰上げ受給で減額された場合、65歳以降も減額率が一生涯適用されるため、繰上げ受給の検討は慎重に行いましょう。