2. 95歳までの生活費まとめ

95歳までの生活費を、2人以上の世帯と、単身世帯に分けて計算します。

それぞれのケースで、95歳までいくら生活費がかかるのか確認してください。

2.1 2人以上の世帯

2人以上の世帯における生活費の計算式は、以下の通りです。

  • 60~64歳:28万7126円×12ヵ月×5年=1722万7560円
  • 65~69歳:28万10円×12ヵ月×5年=1680万600円
  • 70~74歳:24万9589円×12ヵ月×5年=1497万5340円
  • 75~79歳:23万3602円×12ヵ月×5年=1401万6120円
  • 80~84歳:21万7841円×12ヵ月×5年=1307万460円
  • 85歳以上:20万149円×12ヵ月×10年=2401万7880円

各年代の生活費を合計すると、約1億円になりました。

2.2 単身世帯

単身世帯における生活費の計算式は、以下の通りです。

  • 60歳以上:年間180万4905円×5年=902万4525円
  • 65歳以上:年間179万493円×30年=5371万4790円

各年代の生活費を合計すると、単身世帯では約6300万円になりました。

以上から、年金を使わず生活するためには、2人世帯で1億円、単身世帯だと6300万円は最低でも用意しておく必要があります。

物価変動を考慮していないので、物価が上がる前提で考えると、用意しておくべき資金はより高くなるでしょう。

では、長生きのリスクにどのように備えればよいのか解説します。

3. 長生きのリスクに備える方法とは?

公的年金に頼らずに、老後生活をまっとうするには、しっかりとした対策が必要です。

老後の生活に有効な対策は、主に「支出対策」と「資産運用」の2つに分かれます。

それぞれの項目について、解説しましょう。

3.1 支出対策

老後の生活に向けて、家計の支出をどれだけ減らせるか見直しましょう。

総務省統計局が2023年2月7日に公表した家計調査によると、60歳代以降の消費支出は、以下の通りです。

  • 60~64歳:28万7126円
  • 65~69歳:28万10円
  • 70~74歳:24万9589円
  • 75~79歳:23万3602円
  • 80~84歳:21万7841円
  • 85歳以上:20万149円

一方で、老後の生活に入る前の50歳代の消費支出は、以下の通りです。

  • 50~54歳:36万7076円
  • 55~59歳:35万2056円
  • 50歳代平均:35万9566円

60歳代から80歳代にかけて、徐々に生活費は減少しています。

60歳代に差し掛かる前に、携帯電話やサブスク費用、保険料といった固定費が減らせないか、確認しておきましょう。