子どもの成長は嬉しい反面、学校という集団生活を送るなかで「いじめ問題」という心配事も発生しないとは限りません。いじめは親にとって、とても気になるトラブルの1つです。周囲でいじめが起きた時も子どもへの悪影響を与える問題であり、ましてや「いじめられている」となったら精神的なダメージは計り知れず、立ち直るにも相当な時間が必要となります。
いじめも、ひと昔前までは学校内という場所がメインでしたが、今はスマートフォンのSNSやメッセージアプリを介し24時間場所を選ばずに行われており深刻さが増しています。
子どもへのダメージを最小限にとどめるには早期発見が不可欠です。今回は決して他人事ではない、いじめ問題への対応策を考えていきます。
1. 子どもの発する静かなSOSを見逃さない
「いじめられる」ということは、子どもにとってこれまでの生活の中で突如として非常事態が発生している状況です。
以前と全く同じペースで生活を送ることは難しく、何かしらのSOSを発します。
- 無口になる
- ぼんやりとしている時間が増える
- むしゃくしゃしている
- 食欲不振になっている
- 笑顔がひきつっている
- 表情が乏しくなる
- カラ元気になる
- 学校に行きたがらない
- 学校や友達の話をしない
上記のような変化が見られたら、子どもの学校生活で異変が起きているサインの可能性が高いです。
親に話をしたくても言い出せない子や、一人で抱え込もうとする子もいます。こうしたサインを察知したら「気のせい」「たいしたことない」と軽く捉えずに必ず「何かあったの?」と声をかけるようにしてください。
2. 決して子どもを責めず、孤立させない
いじめ問題では必ずと言って「いじめられる側にも問題がある」と主張してくる人もいます。しかし、「いじめ」は子どもの人格を著しく侵害する行為として受け止められ、平成25年には「いじめ防止対策推進法」が制定されています。
つまり、単なる子ども同士のいざこざを通り越した問題であり国や文部科学省が防止策に乗り出している重要課題です。「そちらに問題があるから」で片づけられるものではありません。
我が子がいじめを受けているなら、「あなたにも問題があったからでしょう」と責めず苦しい胸の内を受け止めるようにしましょう。親から突き放されてしまったら子どもは誰を頼りにすればいいのか分からず、絶望します。
ただでさえ絶望の淵に立たされている子どもを、安らげる安全な場所に誘導することを最優先にしましょう。いじめについて根掘り葉掘り聞いてしまうと、辛い思いを繰り返して不安な気持ちを増大させてしまいます。
辛い気持ちを親子で共有し、まずはいじめに気がつかない先生や周囲の悪口を言わず、辛い気持ちや正直に話をしてくれた勇気を褒めて「親は味方」と子どもにとって逃げ場所があることを知って貰うようにしましょう。