60歳代になると定年退職を迎え年金生活に入る方も出てきます。自由な時間を持てるのは嬉しい反面、経済的な不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
老後の主な収入は公的年金という方が多いですが、生活費が不足する場合は貯蓄を取り崩す必要があります。
大きな出費が発生しても困らないように十分な貯蓄ができていれば良いですが、実際には難しいケースが少なくないようです。
この記事では、60歳代で貯蓄額が1000万円未満の世帯の割合を解説するとともに、老後破産しないためのコツをご紹介していきます。
1. 二人以上世帯の53.7%、単身世帯の63.6%が貯蓄1000万円未満
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」によると、60歳代で二人以上世帯のうち貯蓄額が1000万円未満なのは53.7%です。
このうち最も大きい割合を占めているのが「貯蓄なし」の世帯で20.8%となっています。
また、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」によると、60歳代の単身世帯のうち貯蓄額が1000万円未満なのは63.6%となっており、貯蓄なし世帯は28.5%と大きな割合を占めています。
では、二人以上世帯と単身世帯の平均貯蓄額や中央値はどのくらいなのでしょうか。金融広報中央委員会の同調査によると、以下のような結果になっています。
二人以上世帯の平均貯蓄額は1819万円ですが、より実態に近い中央値は700万円となっており、単身世帯の平均貯蓄額は1388万円ですが、中央値は300円となっています。
中央値がいずれも1000万円以下になっていることからも、貯蓄額が1000万円未満の世帯が多いことがわかります。