現役世代に「プチプラ」を求める・好む人が多いのは本当なのか

あわせて、SMBC「30代・40代の金銭感覚についての意識調査 2019」より、消費者が商品を選択する際の着目点について見ていきましょう。

【図表2】を参照すると、堅実な消費者やなるべくお金を使いたくないと考える消費者が多いことが分かります。

「多少無理しても、良いものにお金をかけたい」という問いに対して「そう思う」と答えた人は46.7%、「そう思わない」と答えた人は53.3%でした。

例えば、一昔前であれば、長く使用することを前提にハイブランドの時計や百貨店に出店しているブランドの洋服をボーナスで買う人も多くいました。

しかし、近年においては良いものであっても、多少無理してまで購入したいと考える人たちは多数派ではないといえます。

また、「購入検討する際、同じ商品群・サービスの中で最安値のものを必ずチェックする」という問いに対しては、「そう思う」と回答した人が8割を超えています。

日本では低価格、かつ高品質な商品やサービスを提供しているお店が多いため、安くてよいものを購入することは十分可能です。

そうなると、百貨店や老舗で商品やサービスを購入するといった選択肢は外れてくるでしょう。

また、SDGsが社会に根付きつつある昨今ですが、「多少高くても、社会のためになる活動をしている企業の商品・サービスを購入したい」と答える人は3割台にとどまりました。

地球や社会について関心があったとしても経済的に余裕がなければ、安いものを求めざるをえないという昨今における消費者の事情が垣間見えます。

まとめにかえて

一昔前、銀座に対して“銀座ならでは”の気品や格式の高さを感じる人が多くいました。

現代においても銀座には「大人の世界」や「上質な空間」がひっそりと残っているものの、エリア全体で見るとにぎやかで、ゆったりと街ぶらしたいという人には少々不向きかもしれません。

そうした背景には消費者のものに対する価値観の変化や、リーズナブルな価格帯の商品やサービスの普及などがあります。

とはいえ、銀座で商いを長く営む店主が提供する商品やサービスはまさに「職人技」であり、人を感動させるものであることがほとんどです。

また、銀座に本店を構えるブランドの多くが、高い品質の商品を提供しており、接客やアフターサービスは素晴らしいものとなっています。

そうしたお店やブランド特有の良さに関心を示さない人が増えつつある現代、日本にはどのような商品やサービスが残るのでしょうか。

参考資料

西田 梨紗