つみたて投資枠と成長投資枠が併用可能に

現行のNISAは、つみたてNISAと一般NISAいずれかを選択しなければなりません。一般NISAは非課税期間が短く、つみたてNISAは投資できる商品が限られているなど、どちらも一長一短で投資家にとって難しい選択でした。

対して、新NISAは現行のつみたてNISAに相当するつみたて投資枠と、一般NISAに相当する成長投資枠を併用でき、より柔軟な方法で投資できます。

つみたて投資枠と成長投資枠を併用する3つのアイデア

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新NISAのつみたて投資枠と成長投資枠を併用すると、これまでより柔軟に資産形成を進められます。ここで、それぞれで投資できる資産を整理しておきましょう。

つみたて投資枠

  • 長期の積立・分散投資に適した一部の投資信託(一部ETFも)

成長投資枠

  • 上場株式・REIT・ETF
  • 海外株式含む
  • 投資信託のうち、一定の条件をみたすもの

まず、株式やETFに幅広く投資できるのが成長投資枠の特徴です。さらに投資信託についても、実は、つみたて投資枠と成長投資枠で投資できる銘柄のラインナップが大きく異なります。

2023年11月24日時点では、つみたて投資枠(=つみたてNISA)の対象となる投資信託は全部で261銘柄ですが、成長投資枠は1722銘柄に上ります。投資枠を最大限活用するにはつみたてNISAの活用が必須ですが、成長投資枠を活用した方が、投資先を広げられます。

以上の違いをふまえて、成長投資枠の3つの活用法を紹介します。

  • ETFを活用して相場下落を捉える投資
  • 魅力的な個別株への投資
  • 債券ファンドへの投資でリスク分散

ETFを活用して相場下落を捉える投資

成長投資枠では、さまざまなETFに投資が可能です。ETFは「上場投資信託」と呼ばれる商品で、投資信託のように多数の銘柄に分散投資するのですが、株と同じように、証券取引所が開いていればリアルタイムで売買ができます。

一般的な投資信託は、1営業日に1度しか価格が更新されず、取引時点では買値・売値がわかりません。対して、ETFはリアルタイムで売買できるので、相場下落したタイミングでまとまった投資が可能です。

ETFを相場下落時にスポット購入し値上がり益を狙えば、資産全体のリターンを底上げできる可能性があります。つみたてNISAでの「ほったらかし投資」を主体としつつも、余裕資金で相場を見ながら投資したい方におすすめです。