2024年から始まる新しいNISA制度には、さまざまな特長があります。
具体的には、次の3つが従来のNISA制度との大きな違いです。
- ①従来のつみたてNISAと一般NISAを両方使える
- ②非課税で投資できる金額が大きく拡大する
- ③制度の利用期限がなくなる
2023年までの従来のNISA制度では、2018年にスタートした「つみたてNISA」の人気が年々高まってきました。
つみたてNISAの口座数は、2018年末の約103万口座から、2023年6月末の約836万口座へと、5年余りで8倍以上に急増しています。
さらに、つみたてNISAの口座数のうち、9割近くが20歳代~50歳代の現役世代に利用されています。
(出典:金融庁「NISA口座の利用状況調査(2023年6月末時点)」)
つみたてNISAの口座数からわかるように、つみたてNISAの制度ができたことで、積立投資を実践する人が増えました。「自身でタイミングを計らなくても、相場が下がっている時期に安く買える」「心理の影響に惑わされずに淡々と続けられる」といった、積立の効果を感じている読者の方も多いのではないでしょうか。
ただ、来年からの新NISAでしっかり分散投資を行っていく場合、実は、一般NISAの後継の「成長投資枠」を活用することが有効な選択肢となるのです。
「成長投資枠」は一括投資だけでなく、積立投資もできる
新NISAでは、一つのNISA口座の中に「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠が設けられます。「つみたて投資枠」は年間120万円まで、「成長投資枠」は年間240万円まで投資できます。
「成長投資枠」という名称だけを見ると、(「つみたて投資枠」よりも)リスクの高い商品に、一括で投資することをイメージする方もいるかもしれません。しかし、実際には、「成長投資枠」の投資方法は柔軟で、積立でも一括でもどちらでも利用できます。
さらに、「つみたて投資枠」の対象商品は、すべて「成長投資枠」でも購入することができます。「成長投資枠」でも、積立投資を実践しやすいのです。
私が講師を務める資産運用セミナーでは、よく「一括投資と積立投資はどちらがおすすめですか」という質問をいただきます。どちらが最終的に高いリターンを得られるかはわかりませんが、迷う場合には積立投資を組み合わせることをおすすめしています。
ここで注意していただきたいのは、新しいNISAで積立投資を実践する際、絶対に「つみたて投資枠」を使わなければいけないわけではない、ということです。