老後の主な収入源として公的年金がありますが、「自分たちが受給する頃はきっともらえないだろう」と考えて、国民年金保険料を払わないと決めた方もいるでしょう。

しかし、本当に国民年金保険料を払わなくても問題ないのでしょうか?未納のままだとどのような末路になるのか、確認しておく必要があります。

この記事では、国民年金保険料を払わなくても問題はないのか、そして、払わないとどのようなリスクやペナルティがあるのかなどについて解説していきます。

1. 国民年金保険料は支払う義務のあるもの

日本に住む20歳以上60歳未満の方はすべて国民年金に加入することとされており、国民年金法 第八十八条により国民年金保険料の納付をすることが義務付けられています。

つまり、保険料は「払いたくないから払わない」などと、個人の考えで決められるものではないということです。

会社員や公務員など勤務先の社会保険に加入している方は、毎月の給与から厚生年金保険料が控除されており、その中に国民年金保険料も含まれています。

一方、自営業や個人事業主、フリーランスの方などは口座振替やクレジットカード、金融機関等の窓口で支払うのが一般的です。

しかし、会社員などのように給与から自動的に控除されるわけではないため、払わないという選択肢が生じてしまっているのも事実です。

1.1 保険料未納者は19.3%

国民年金保険料には支払い義務があるはずですが、厚生労働省の「令和4年度の国民年金の加入・保険料納付状況」によると、保険料未納率は19.3%となっています。保険料納付義務者の約5人に1人が未納状態になっている計算です。

厚生労働省の「令和2年国民年金被保険者実態調査 結果の概要」によると、国民年金保険料を払わない理由として、次のような結果が出ています。

  • 保険料が高く、経済的に支払うのが困難:76.0%
  • 年金制度の将来が不安・信用できない:5.4%
  • 納める保険料に比べて、十分な年金額が受け取れないと思う:6.1%
  • うっかりして忘れた、後でまとめて払おうと思った:3.6%
  • 厚生労働省・日本年金機構が信用できない:2.8% (以下省略)

最も多い回答が「保険料が高く、経済的に支払うのが困難」で76.0%と大部分を占めています。

中には、年金制度の将来に不安な方や十分な年金額が受け取れないと思うために払わない方もいることがわかります。