聞きなじみがある方も多い「ワーキングホリデー」。オーストラリアやカナダ、その他ヨーロッパなど、海外で働きながら語学を勉強できるというイメージが強く、自分とは無縁だと思っている方も多いのではないでしょうか。

しかし、ワーキングホリデーは海外だけではありません! 実は、日本国内でもできるワーキングホリデーがあります。

そこで今回は、国内でできる「ふるさとワーキングホリデー」の制度や中身、学生にとってのメリットを紹介していこうと思います。

「ふるさとワーキングホリデー」とは

1/7

Elico-Gaia/istock.com

Elico-Gaia/istock.com

そもそも「ふるさとワーキングホリデー」とはどういった制度なのでしょうか。

ふるさとワーキングホリデーの制度概要

総務省が2017年1月より始めた新しい取り組みで、以下のように定義されています。

「日本中の故郷で地域の仕事をしながら、地域の人たちとの交流や学びを通じてリアルに地域の暮らしを体験できる」(総務省「ふるさとワーキングホリデーポータルサイト」)

学生のみならず、社会人もや対象です。

日本の地域で2週間から1カ月程度、働くことで収入を得ながら、休日は自由に過ごすことができるため、ちょっとした旅行気分や移住先の検討ができるかもしれません。

制度を通して、地域住民との交流や勉強会を行い、数日間の旅行では味わうことのできない地域の実際の生活を体験することができます。

「ふるさとワーキングホリデー」の目的は関係人口の増加

関係人口(訪問系)の対流の状況―関係人口(訪問系)の流動(人数ベース)―2/7

関係人口(訪問系)の対流の状況―関係人口(訪問系)の流動(人数ベース)―

出所:国土交通省「全国の「関係人口」は1,800万人超! ~「地域との関わりについてのアンケート」調査結果の公表~」報道用資料

単純に、地域住民と交流して学びのある旅行にしようというわけではありません。

地域によっては、人口減少が深刻な場合があります。最近では、移住者を増やすだけでなく、地域や地域住民とかかわりのある人々「関係人口」を増やそうとする試みがされています。

実際に、「ふるさとワーキングホリデー」を経験した人の中には、また来ようと遊びに行ったり、移住したり、なんらかの仕事につながってビジネスで縁が生まれたり、地域復興のために残ったりする人もいるようです。

関係人口の割合

国土交通省が実施した2021年のアンケート調査では、全国の18歳以上の居住者(約1億615万人)のうち、約2割弱が関係人口であり、全国を大規模に流動していることがわかっています。

関係人口(訪問系)と移住の関係―関係人口(訪問系)と三大都市圏からの転入超過回数―3/7

関係人口(訪問系)と移住の関係―関係人口(訪問系)と三大都市圏からの転入超過回数―

出所:国土交通省「全国の「関係人口」は1,800万人超! ~「地域との関わりについてのアンケート」調査結果の公表~」報道用資料

特に、外部の人を受け入れる環境が整っている地域では、関係人口が多いと考えられています。

関係人口と移住の関係

関係人口(訪問系)と移住の関係―関係人口大分類別の移住したいと思う理由(首都圏都市部→その他地域)―4/7

関係人口(訪問系)と移住の関係―関係人口大分類別の移住したいと思う理由(首都圏都市部→その他地域)―

出所:国土交通省「全国の「関係人口」は1,800万人超! ~「地域との関わりについてのアンケート」調査結果の公表~」報道用資料

また、移住については、「住環境に魅力を感じる」「自然環境が豊かである」を理由とする人が多くを占めました。「実際に来てみることでわかる魅力」によって、移住してもらえる可能性が高まるのではないでしょうか。

「ふるさとワーキングホリデー」は、地域の需要にこたえ、「都市部の若者が抱く社会・地域貢献への想いや、移住などを考える社会人の想いと、地域側の魅力を伝えたい、」「人口を増やしたい」という想いを結ぶ役割を担っているといえます。

「ふるさとワーキングホリデー」の安全性

「ふるさとワーキングホリデーポータルサイト」によると、令和5年3月時点でこれまでに約4300人の方がこの制度を利用し、9割以上の方が満足していることがわかっています。非常に安心安全なプログラムであるといえます。

また、総務省のポータルサイトでの募集だけでなく、副業サイトなどで市区町村が募集していることもあります。同様に人気があるようで、なかなかの倍率と見られます。

一方で、U23編集部内ではふるさとワーキングホリデーを今回初めて知った人ばかりで、学生の中では知名度がまだまだなのかなと思います。

どんな仕事がある?

では、「ふるさとワーキングホリデー」では実際にどのような場所で、どのような仕事をするのでしょうか? 

ふるさとワーキングホリデーポータルサイトで、今現在募集している仕事を見てみると、北海道から沖縄まで、さまざまな仕事があることがわかります。

具体的には、宮城県でのホタテ漁、沖縄県でマンゴー農園のお手伝いなど水産や農業に関するお仕事や、高知県でのホテル業務やキャンプ場運営といったサービス業。

そして富山県でマカロン専門店でのお菓子作りの手伝い、関係人口を増やすためのPR業務など、仕事内容も幅広く、見ているだけでもワクワクします。

リゾートバイトとは異なり、農作業など地域ならではの仕事がたくさんあるのが魅力的ですね!

学生にとって「ふるさとワーキングホリデー」メリットは?

6/7

GF days/istock.com

GF days/istock.com

では、「ふるさとワーキングホリデー」は学生にとってどのようなメリットがあるのでしょうか?

メリット1:海外にいくよりもハードルが低い

海外に行くワーキングホリデーよりもハードルが低いことが大きいでしょう。

海外に行く場合、ビザの取得や現地までの航空費、言語や治安の違いなど始めるにあたって負担になることが多いです。

メリット2:生活費の負担が少ない

特に、海外で暮らす場合に、にあたっては生活費が高額になります。

日本ワーキングホリデー協会のホームページによると、2023年6月更新の情報で、オーストラリアの宿泊費・生活費が月14万円程度です。2019年時点でオーストラリアでは$800と、当時のレート(1AUD=約75円)で計算すると6万円になります。

2023年現在は、今よりも円安・物価高のため以前よりももう少し高くなっていると考えられます。

参考までに、2019年時点の情報では、宿泊費の記載はなく「生活費」と書かれていますが、当時に必要とされた生活費は、AUD $800です。当時のレート(1AUD=75円)で計算すると、約6万円です。

「ふるさとワーキングホリデー」であれば、住民票を移す必要も言語の違いもありません。

自治体によっては交通費を一部負担してくれるところもあります。また、宿泊施設が用意されていたり、食事が用意されたりしていることも多く、生活費を大幅に圧縮できることがあります。

どちらでも、その土地の文化や慣習の違いなどを経験すると思いますが、国内であれば参加しやすいと思います。

メリット3:キャリア形成に役立つ

大学生にとっては、将来のキャリア形成に役に立つでしょう。

就職活動のための社会経験ができるのはありがたいところ。また、就職先の選択肢のひとつとして、まずは地域での体験してみるなど直近のキャリア形成に非常に意味のある経験になると思います。

それだけでなく、仕事をしながら、地域の人たちとの交流や学びを通じて地域の暮らしを体験することで、今まで知らなかった新しい自分を知ることができ、人生にとって非常に有意義な経験になるに違いありません。

いい経験につながった思い出

7/7

metamorworks/istock.com

metamorworks/istock.com

U23編集部内では、「海外のワーキングホリデーよりも参加しやすそう」「将来の地方での暮らしなどを意識する上で役に立ちそう」「新しいアイデアを得られそう」などという理由で参加してみたい部員が多かったです。

就職活動がまだまだ先だと考えている大学1~2年生や、就職活動が落ち着いた上級生などにぜひ挑戦してもらいたいもの。「自分を見つめなおすきっかけが欲しい」「いつもとは違う長期休みを過ごしてみたい」という想いがあれば、ふるさとワーキングホリデーに挑戦してみてはどうでしょう。

私自身、大学の授業で地域に2週間住み込みで過ごしたことがあります。

地域の人と仲良くなることで、ネットには出てこない魅力を発見したり、地域の特産品を使った家庭料理を御馳走していただいたり、とてもいい経験になったのを覚えています。

気になるという方は、ふるさとワーキングホリデーのポータルサイトをのぞいてみてください!

参考資料

LIMO・U23編集部