大発会の急騰に続き続伸。26年ぶりの高値へ
2018年1月5日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より208円20銭高の23,714円53銭となりました。
2018年の大発会となった4日、日経平均は急上昇し、前営業日より741円高の23,506円となりました。5日も続伸し、終値は1992年1月6日(23,801円)以来、約26年ぶりの高値となっています。
昨年の11月9日にザラバで23,382円を付けて以来、何度もトライしては跳ね返されていた2万3000円の壁を一気に超えてきたことになります。商いも活況で、東証1部の売買代金は2日連続で3兆円を上回りました。
背景としては、足元の世界的な株高があります。米株式相場は2日が最初の営業日でしたが、反発して始まり、5日まで4日続伸しています。5日はダウ工業株30種平均、S&P500種株価指数、ナスダック総合株価指数と主要3指数がそろって過去最高値を更新しました。
先進国だけでなく、ベトナムなどアジアの新興国の株式相場も伸びています。ブラジル、アルゼンチンなど南米の株式相場も上昇しています。また、韓国と北朝鮮の南北高位級会談の開催が決まったことで、地政学リスクが和らぐとの見方から、韓国だけでなく、中国、日本の株も買われています。
今週以降の展開はどうなるでしょうか。日経平均は引き続き、米国株や為替の影響を受けそうです。5日には2017年12月の米雇用統計が発表されました。非農業部門の雇用者増加数については市場予想を下回ったものの、失業率は前月と同じ低水準を維持しており、平均時給も上昇したことなどから、労働市場は堅調という見方が広がりました。
5日のニューヨーク外国為替市場は乱高下といったところ。雇用統計の発表直後は一時、円高が進みましたが、けっきょく円相場は3日続落し、1ドル=113円00~10銭で取引を終えています。
日本市場は今週、8日は成人の日で休場となります。外国人投資家の売買比率が高まっていることから、外国相場の影響を受けた連休明けの動きに注目したいところです。
窓をあけて上昇。相場に強い買いの勢いがある
先週の動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。大発会の4日は始値が23,073円と、いきなり2万3000円超えで寄りつきました。そのままほとんど下落することなく、高値と終値が同じという、いわゆる「陽の丸坊主」のローソク足となりました。相場に強い買いの勢いがあることを示しています。
翌5日も窓をあけて上昇して始まりました。一時、押す動きもありましたが、前日の終値まで下がることもなく、再び陽線となって上昇しました。
2万3000台定着へ。2万5000円台も視野に入ってきた
今週の動きはどうなるでしょうか。注目すべきは、昨年末に節目となっていたラインを、4日、5日の2日間で一気に超えてきたことです。特に2万3000円の壁には、これまで何度も跳ね返されていました。終値では、2017年11月7日の22,937円が直近の高値でした。さらに、当面の上値めどであった、11月9日の高値(23,382円)も超えました。
ここから重要なのは、2万3000円台が定着するかどうかですが、これまで2万3000円に何度もトライしていることから商いが積み上がっています。2万3000円を抜けたことでこのラインが下値支持線となり、一段上のステージで上昇していくことが考えられます。
そうなると、その先が楽しみです。終値ベースで現状より上となるのは、1992年1月6日の23,801円で、そこまで80円あまり。そこを抜けると次の上値めどは、1991年11月1日の25,044円になります。まさに2万5000円台も視野に入ってくるのです。
逆に急騰を受けた調整があるとしても、2万3000円を割り込むまでは押し目買いの好機になるでしょう。
下原 一晃