2023年10月23日、岸田文雄首相は国会の所信表明演説にて「国民の努力によってもたらされた税の増収分を公正かつ適性に還元する」と発言。
賃金上昇が物価高に追いつかない現状における、国民負担を緩和する必要があるという認識を示しました。
また、首相は同じ会見内で給付金についても言及しました。
給付金に関してはその他にも、10月16日に公表された総合経済対策に向けた自民党の提言案にて、低所得世帯への継続的な給付金支給を検討する方針を明らかにしています。
そこで今回は、これまで行われた低所得者向け給付金の対象である「住民税非課税世帯」の要件と、住民税の仕組みについて詳しく確認していきましょう。
そもそも住民税ってどんな仕組み?
そもそも住民税は、公共施設や学校教育の運営費、上下水道やごみ処理といった行政サービスなど、各地域で必要となる費用を分担するための税制度です。
住民税には都道府県民税と市町村民税がありますが、納税する際には一括して各市町村に住民税を納め、その後、各市町村によって都道府県あてに道府県民税が払い込まれる形です。
また、住民税の仕組み上、所得額に応じて負担する「所得割」、誰もが等しく負担する「均等割」の2つに区分されます。
均等割は、個人住民税は「地域社会の会費的なものである」として負担を求めるとしたもので、一般的な税額は5000円(道府県民税1500円、市町村民税3500円)とされています。
ちなみに、東日本大震災の復興財源などを確保するため、2014年度から2023年度までの10年間、都道府県民税・市町村民税ともに500円ずつ引き上げられています。
一方、所得割の税率は市町村民税6%、都道府県民税4%の合計10%と一律です。
ただし、政令指定都市は道府県民税が2%、市民税が8%になるなど、自治体ごとで税率が異なる場合があります。