老齢厚生年金や老齢基礎年金は、一般的に65歳から受給することができます。

もしすぐに受け取らない場合、66歳以降に繰り下げることによって、受給する金額を増やすことができます。

これを年金の「繰り下げ」といいます。

一方、受給しなかった分の年金を「一括」で受給することもできます。

しかしこの場合、過去の所得税が修正され、場合によっては延滞税が発生することもあるのです。

所得税等の減税策が注目を集めていますが、身近な「年金と税金」の関係も知っておく必要があります。

くわしく見ていきましょう。

年金の繰下げで受給額を増やすことができる

65歳から受給できる老齢厚生年金や老齢基礎年金は、65歳から受け取らずに1年以上据え置き66歳以後75歳まで繰下げることによって、増額された年金を受け取ることができます。

なお、1947年4月1日以前生まれの方や2017年3月31日以前に老齢厚生年金や老齢基礎年金を受給できる権利がある方は、繰下げは70歳までとなっています。

年金の繰り下げは増額率が決まっており、その増額率は受給後も変わりません。

増額率は1カ月あたり0.7%で、年金を65歳から受給できる方が75歳まで繰下げると、最大84%増額となります。

増額率 = 0.7% × 65歳に達した月から繰り下げ申し出月の前月までの月数