【新NISA】年間拠出額が拡大するなかで、気を付けたい落とし穴
新NISAで注目されている理由のひとつが、一年間で拠出できる枠組みの大幅な拡大です。
2023年までは年間投資可能額が一般NISAは年120万円(最大非課税投資枠600万円)、つみたてNISAが年40万円(最大非課税投資枠800万円)認められ、どちらかを選択する仕組みでした。
2024年以降は枠が併用可能になるだけでなく枠が拡大され、拠出可能な金額が拡大するのです。
つみたてNISAに相当する「つみたて投資枠」は年120万円まで拡大。一般NISAに相当する「成長投資枠」は年240万円まで投資が可能。どちらも倍増以上の拡大といえます。
ただし、気を付けたいのが成長投資枠の上限です。
最大非課税金額といえる「生涯非課税限度額」1800万円のうち、成長投資枠については1200万円までとしなければなりません。
これは短期売買に税制優遇を付与するのではなく、長期積立を推進するという政府の考え方によります。
個人がご家庭により事情は異なりますが、基本的には積立投資を行い、余裕があれば上乗せして投資信託の追加購入や株式保有を行うイメージで考えてみてもいいでしょう。
新NISAなどの制度を活用しながら、綿密な老後資金づくりを
今回のシミュレーションで、40歳から月5万円の積立投資を行い、年利2~3%運用できれば、65歳までに2000万円程度貯められる結果となりました。
40歳〜50歳代でも、積み立て投資に遅すぎることはありません。ただ、無理をしすぎないよう、自分に合っていそうな情報収集から始めてみましょう。
老後資金を効率よく貯めるために新NISA制度の活用を検討し、経済的に余裕のある老後を目指していきたいものです。
新NISA開始まで残り約1カ月半ですから、今からご家庭に合った運用を検討してみてくださいね。
参考資料
LIMO編集部
執筆者
LIMO編集部は、経済や金融、資産運用等をテーマとし、金融機関勤務経験者の編集者が中心となり、情報発信を行っています。またメディア経験者の編集者がキャリア、トラベル、SDGs、ショッピング、SNSなどについて話題となっているニュースの背景を解説しています。当編集部はファンドマネージャーや証券アナリスト、証券会社・メガバンク・信託銀行にて資産運用アドバイザー、調査会社アナリスト、ファッション誌編集長、地方自治体職員等の経験者で構成されています。編集スタッフの金融機関勤務経験年数は延べ49年(589か月)で、メンバーが勤務していた金融機関は、野村證券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、日興証券、三菱UFJ銀行、三井住友信託銀行、日本生命、フィデリティ投信などがある。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)、第一種外務員(証券外務員一種)、FP2級、AFP等の資格保有者が複数在籍。生保関連業務経験者は過去に保険募集人資格を保有。株式会社モニクルリサーチが運営(最新更新日:2024年9月30日)。
監修者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
LIMO編集長/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)/元証券会社社員
経歴と保有資格
1984年生まれ。東京女子大学哲学科卒業後、2008年に野村證券株式会社に入社。支店にてファイナンシャル・コンサルティング課に配属され、国内外株式、国内外の債券、投資信託、保険商品などの販売を通じ、主に富裕層や個人顧客向けに資産運用コンサルティング業務に従事し、顧客のライフプランに寄り添った提案を行った。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。
得意ジャンル
現在は株式会社モニクルリサーチが運営する「くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~」編集長。LIMOでは厚生労働省、金融庁、総務省、財務省(国税庁)といった官公庁の公開情報など、信頼性の高い情報をもとに厚生労働省管轄の公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障、貯蓄、キャリアなどをテーマに企画・編集・執筆を行う。3児のひとり親。中学・高校社会科(公民)教員免許保有(2024年8月20日更新)。