物価上昇により、身近なものの値上げが止まりません。
そんな中、国税庁による最新の統計では、日本人の平均年収が458万円であることがわかりました。
年収事情は人それぞれですが、おそらく多くの方が気になっているであろう「年金額」について、平均年収を使って試算してみたいと思います。
もし平均的な年収が22歳~60歳まで続いた場合、老齢年金はいくら受け取れるのでしょうか。
1. 年収458万円の人が受け取る厚生年金は月額約15万1100円
老齢年金のうち、老齢厚生年金は現役時代の年収や加入期間によって決まります。
年収458万円の人の年金額を試算するために、詳細な計算式を確認しましょう。
1.1 厚生年金の受給額の計算式
報酬比例部分= A + B
- A(2003年3月以前):平均標準報酬月額×7.125/1000×2003年3月までの加入期間の月数
- B(2003年4月以降):平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の加入期間の月数
報酬比例部分(従前額)=( A + B )× 1.014
- A(2003年3月以前):平均標準報酬月額×7.5/1000×2003年3月までの加入期間の月数
- B(2003年4月以降):平均標準報酬額×5.769/1000×2003年4月以降の加入期間の月数
上記のどちらかの式によって算出されます。また加入の時期によって計算式が異なるため、ここでは2003年4月以降に加入したとして試算します。
1.2 年金額の試算条件
- 年収458万円から平均標準報酬額は38万1700円とする
- 2003年4月以降に厚生年金に38年間加入した
- 国民年金は40年間未納なし
- 配偶者や扶養家族はいない
1.3 厚生年金額をシミュレーション
上記の式に当てはめると、厚生年金額は年額で101万8100円となります。
さらに老齢基礎年金(国民年金)の満額約79万5000円を足すと、合計で約181万3100円となりました。
月額にすると約15万1100円です。
実際には38年間を通して年収458万円であるケースはまれですが、一つの目安となるでしょう。
※昭和21年4月1日以前に生まれた方については、給付乗率が異なります。
※年収÷12で仮の平均標準報酬月額を算出しています。実際には「平均標準報酬月額」「平均標準報酬額」を用いるため、厳密には年収と異なります。
※あくまでも概算のため、実際の受給額とは異なるケースがあります。
※老齢基礎年金は2023年度新規裁定者の基準額です。
2. 厚生年金を月額15万円以上受給している割合は多い?少ない?
では、厚生年金(国民年金を含む)を月額15万円以上受給している高齢者はどれほどいるのでしょうか。
平均年収での試算のため、そこから算出された年金額は平均的な金額になるとも予想できます。
厚生労働省の資料から、年金受給額の実態を見ていきましょう。
2.1 厚生年金月額ごとの受給者数
- 1万円未満 :9万9642人
- 1万円以上~2万円未満 :2万1099人
- 2万円以上~3万円未満 :5万6394人
- 3万円以上~4万円未満 :10万364人
- 4万円以上~5万円未満 :11万1076人
- 5万円以上~6万円未満 :16万3877人
- 6万円以上~7万円未満 :41万6310人
- 7万円以上~8万円未満 :70万7600人
- 8万円以上~9万円未満 :93万7890人
- 9万円以上~10万円未満 :113万5527人
- 10万円以上~11万円未満:113万5983人
- 11万円以上~12万円未満:103万7483人
- 12万円以上~13万円未満:94万5237人
- 13万円以上~14万円未満:91万8753人
- 14万円以上~15万円未満:93万9100人
- 15万円以上~16万円未満:97万1605人
- 16万円以上~17万円未満:101万5909人
- 17万円以上~18万円未満:104万2396人
- 18万円以上~19万円未満:100万5506人
- 19万円以上~20万円未満:91万7100人
- 20万円以上~21万円未満:77万5394人
- 21万円以上~22万円未満:59万3908人
- 22万円以上~23万円未満:40万9231人
- 23万円以上~24万円未満:27万4250人
- 24万円以上~25万円未満:18万1775人
- 25万円以上~26万円未満:11万4222人
- 26万円以上~27万円未満:6万8976人
- 27万円以上~28万円未満:3万9784人
- 28万円以上~29万円未満:1万9866人
- 29万円以上~30万円未満:9372人
- 30万円以上~ :1万4816人
2.2 厚生年金月額「15万円以上」の割合
厚生年金の受給額が「15万円以上~16万円未満」に属する人は97万1605人です。
また、15万円以上の厚生年金を受給している方は745万4110人。割合にすると46.1%です。
そもそも厚生年金の平均月額が14万3965円であることから、やはり平均的な金額であるといえます。
ただし、男女別に見ると男性が64.2%、女性が9.3%と差があります。
そもそも厚生年金に加入して働き続ける女性が少なかった時代なので、こうした男女差があると考えられます。
その他、実際には38年間一定の年収でとどまることは少ないため、あくまでも目安であることにも注意が必要です。
年金額には個人差があるという点を認識し、それぞれが老後対策を進めていかなければなりません。
3. 老後対策とは?年金以外の備えを考える
年収458万円の方が受け取る厚生年金(国民年金を含む)は月額約15万1100円となりました。
平均的な年収であれば、およそ平均的な受給額になると予想されます。
しかし、年金で老後を過ごせるかと言うと難しく感じる方もいるでしょう。
そもそも「年金だけで過ごす」と考えている人が少なくない中、それぞれが思い思いの老後対策を進めているものです。
しかし、その方法は多岐に渡るがゆえ、どのように進めればいいのか決めかねる方も多いです。
NISAやiDeCoも話題ですが、「人気があるから」という理由で始めるのはやめておきましょう。
どんな方法が自分に合うのか、どれぐらいのリスクまでなら許容できるのか、一つひとつ考えていくのが「老後対策の第一歩」となります。

