結局、老後の資金はどれくらいあればいいの?

 2018年秋に行われた衆院選では、「消費税を上げるのかどうか」という観点から候補者を選んだ方も多かったのではないでしょうか。日常生活に直結した税だからこそ、少し上がるだけで変わるもの。特にセカンドライフを間近に控え、今ある老後資金が足りるのか不安を抱えている方々にとっては、大きな問題でしょう。

 ここでは、セカンドライフを送るのにどのくらいの金融資産があれば安心できるのか、それに及ばない場合やもっと増やしたい場合はどうすればよいのかを、書籍『投資信託でうまくいく人、いかない人』の著者・白石定之さんが解説します。

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目安は65歳で金融資産5000万円以上

 私は「定年後の生活でどのくらいの金融資産があれば安心できるのか」というひとつの目安は5000万円と考えています。

 生命保険文化センターによると、「ゆとりある老後」の生活費は、月額で平均34.9万円となっています。一方で、厚生労働省によると、厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)は月額で22.1万円。その差額は、12.8万円です。

 つまり、90歳まで長生きしたとして、65歳から90歳までの25年間で、年金だけでは12.8万円×12カ月×25年=3840万円が、「ゆとりある老後」の生活費としては不足しているのです。

 また、誰もが健康に長生きできるとは限りません。病気やケガなどに備える安心のための余裕分も含めると、5000万円がひとつの目安になると考えられるのです。

あくまで「安心できるひとつの目安」

 別の見方として、金融資産で5000万円あれば、年5%の運用で250万円、月に直すと約20万円になり、差額の12.8万円をカバーします。あくまでも年5%の運用ができればですが、5000万円の原資を取り崩すことなくゆとりのある生活ができることになります。

 もちろん、5000万円はあくまでも「安心できる水準」のひとつの目安でもあります。生活水準を実情に合わせ、多少つつましい生活にすることで、十分に生活することは可能です。

 とはいえ、実際に5000万円以上の資産を備えている人は少ないでしょう。世帯主が60代以上の世帯の平均貯蓄額は2500万円程度。5000万円の半分にも及びません。しかし、年金の現状や経済状況などを鑑みると、貯蓄だけでは心もとないという方も多いと思います。

 では、「労働」という一番の収入源がない定年世代はどうやってお金を増やしていけばよいのでしょうか?

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中学3年のときから父の勧めで株式投資を始める。
慶應義塾大学理工学部を卒業後、日立製作所、野村證券を経て独立。
IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)として活動後、マネーブレイン株式会社を設立、代表取締役に就任。