金融庁の「老後95歳まで生きるには夫婦で約2000万円の金融資産の取り崩しが必要である」との試算から話題となった「老後2,000万円問題」。
実際に60歳代で貯蓄額が2000万円を超えている世帯はどれくらいなのでしょうか。
今回は60歳代世帯の懐事情について詳しく見ていきたいと思います。
1. 60歳代「貯蓄額2000万円」以上を保有する世帯は約3割!
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」をもとに、60歳代二人以上世帯の金融資産保有額=貯蓄額を確認していきます。
1.1 【60歳代】二人以上世帯の貯蓄額:中央値700万円
※金融資産を保有していない世帯を含む
- 平均:1819万円
- 中央値:700万円
60歳代二人以上世帯の貯蓄額は平均と中央値で1000万円以上の乖離が見られます。
平均は一部の大きな数値に引き上げられていると考えられますので、より実態に近いとされる中央値を参考に見ておきましょう。
60歳代二人以上世帯の貯蓄額の中央値は700万円ですが、円グラフを見ると700万円を含むゾーンは6.1%程度です。
金融資産保有額ごとの人数割合で貯蓄事情を深掘りして見ておきましょう。
1.2 【60歳代】二人以上世帯の金融資産保有額ごとの人数割合
- 金融資産非保有:20.8%
- 100万円未満:6.1%
- 100~200万円未満:5.5%
- 200~300万円未満:3.3%
- 300~400万円未満:3.2%
- 400~500万円未満:3.4%
- 500~700万円未満:5.3%
- 700~1000万円未満:6.1%
- 1000~1500万円未満:8.6%
- 1500~2000万円未満:5.7%
- 2000~3000万円未満:8.8%
- 3000万円以上:20.3%
- 無回答:2.9%
貯蓄事情を細かく見ていくと、貯蓄ゼロの世帯が20.8%と最も多いことが分かりました。
次に多いのが貯蓄額3000万円以上の20.3%と、貯蓄がある世帯とない世帯で二極化しているのが見てとれます。
これから退職金を受け取る予定の世帯もあるかもしれませんね。