パワーカップルはゆとりある老後生活も可能
公益財団法人 生命保険文化センターが行った調査によると、夫婦二人にかかる老後の生活費は、最低でも毎月約23万2000円が必要という結果となっています。
前章で試算した結果の通り、夫婦で毎月約44万の年金を受給できれば、必要最低限の生活費は余裕をもって支払えることになります。
また、同調査によると、ゆとりある老後生活を送るために必要な金額は、必要最小限の金額に14万8000円プラスされ、約37万9000円という結果が出ています。
上乗せした金額の使いみちは旅行やレジャーが最も多く、次いで日常生活費を充実させるためや趣味・教養のためといった項目が多くなっています。
試算通りに夫婦で月額44万円の年金を受給できれば、ゆとりある老後生活も可能といえるでしょう。
しかし、住宅のリフォームや車の買い替え、子どもの結婚費用の援助などまとまった資金が必要になることもあるため、予定される支出分の貯蓄は必要になるでしょう。
まとめにかえて
パワーカップルは、現役時代に夫婦それぞれが高収入を得られるため、老後に受給できる年金額も高額になることが考えられます。
ただし、労働状況や家庭状況が変化する可能性もあり、高収入が維持できるとは限りません。また、老後にまとまった資金が必要になるケースがあります。
パワーカップルのように高収入世帯であっても、今後の状況変化に対応できるよう、老後資金の準備をすすめて行く必要があるでしょう。
参考資料
- 内閣府男女共同参画局「第3章 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)」
- ニッセイ基礎研究所「パワーカップル世帯の動向-コロナ禍でも増加、夫の年収1500万円以上でも妻の過半数は就労」
- 日本年金機構「令和5年4月分からの年金額等について」
- 厚生労働省「年金制度の仕組みと考え方_第3_公的年金制度の体系(年金給付)」
- 公益財団法人 生命保険文化センター「老後の生活費はいくらくらい必要と考える?|リスクに備えるための生活設計|ひと目でわかる生活設計情報」
木内 菜穂子