1.1 見直しの対象は「生活扶助」

生活保護には以下の8つの扶助項目があります。

今回の改定の対象になるのは、8つの扶助のうちの「生活扶助」です。上表にもあるように、生活扶助は食費や光熱費など日常生活に欠かせない費用が対象です。

生活扶助の支給額はお住いの地域や世帯人数、年齢などによって基準額が決まり、5年に1度見直しが行われています。

社会保障審議会 生活保護基準部会による検証結果をもとに、物価上昇といった社会経済情勢などを総合的に考慮して決定されます。

1.2 1人1000円加算で基準額が下がることはない

今回の改正は2023年度から2024年度の臨時的な対応となり、主な改正点として次の2点が挙げられます。

  • 世帯員一人当たり1000円/月を加算する
  • 上記加算をしても現行基準額から減額になる世帯は、現行基準額のまま据え置きにする

このような改正になるため、2024年度(令和7年3月31日)までは基準額が上がるか据え置かれるかのいずれかとなり、下がる世帯は出ないことになります。

では、基準額の改正により具体的にどのくらいの金額が支給されるのか、品川区を例にとって確認します。

30代夫婦で子ども1人の世帯の受給額は15万2900円で、改正前より6100円の増加になり、30代母子世帯で子ども1人の世帯では受給額が12万2200円で230円の増加になります。

65歳夫婦の受給額は12万900円で980円の増加です。50代単身者や65歳高齢単身者のように、金額の変更がない世帯もあるようです。

生活扶助の見直しについては、お住まいの地域により異なるため、詳しくは福祉事務所の生活保護担当に問い合わせてください。