2. 年金と生活保護は両方もらえる?

厚生年金や国民年金を受給中の方の中には、受給額が少ないため生活していくことが難しいという方もいるでしょう。

年金を受給している人でも生活保護を受けることはできるのでしょうか。

2.1 年金と生活保護は併給可能

結論から申し上げると、年金と生活保護は両方もらうことが可能です。

というのも、生活保護制度は生活が困窮している人に対して、その度合いに応じた保護を行うことが趣旨とされているためです。

年金も収入のひとつとしてみなされており、最低生活費から不足する分が生活保護費として支給されます。

たとえば、最低生活費が15万円の世帯で年金収入が夫婦合わせて8万円だった場合、7万円が生活保護費として受給できるということです。

2.2 生活保護を受ける際の注意点

生活保護は生活費が足りなければだれでももらえるものではなく、決められた要件を満たした方のみが対象となります。

支給の可否を決めるために、子どもなど親族から支援を受けられないか確認調査が行われます。

また、預貯金のある方は、まずそれらを生活費に充てることを求められたり、働ける人は能力に応じて働いたりすることも条件となっています。

ほかにも、自動車の保有は原則として認められないといった制約が課せられることもあります。

生活保護を申請する際は、細かい支給要件を満たす必要があるうえ、生活を送るうえでの制限が生じることを理解しておくことが大切です。

3. 2023年10月からの生活保護まとめ

2023年10月からの生活保護は、世帯員一人当たり月額1000円が加算され、加算した結果が減額になる場合でも現状のまま据え置かれることになります。

物価上昇や新型コロナウィルス感染症のこともあり、増額や据え置きになるのは受給者にとって喜ばしい措置といえます。

年金受給中であっても要件を満たしていれば生活保護をもらうことは可能なので、生活に困った場合はお住まいの地域を管轄する福祉事務所で相談しましょう。

参考資料

木内 菜穂子