2000万円あれば老後資金は足りるのか

今まで紹介した「老後の平均生活費」と「年金の平均受給額」を参考に、老後に必要なお金をシミュレーションしてみましょう。夫婦は同い年で65歳から年金生活を始め、寿命は85歳を前提とします。

夫婦形態別にみた、月の生活費の過不足額は以下のとおりです。

1.会社員共働き夫婦 
月28万7930円(年金受給額)ー月26万8508円(生活費)=+月1万9422円
2.会社員の夫と専業主婦の夫婦(片働き夫婦)
月20万333円(年金受給額)ー月26万8508円(生活費)=ー月6万8175円
3.自営業者夫婦
月11万2736円(年金受給額)ー月26万8508円(生活費)=ー月15万5772円

会社員共働き夫婦であれば、毎月受け取る年金が生活費を上回っています。そのため、シミュレーション上は貯蓄がなくても老後生活を送ることが可能です。

一方で、会社員片働き夫婦と自営業者夫婦は年金だけで毎月の生活費を賄うことはできません。年金生活を送る20年間(65歳~85歳まで)で不足する生活費の合計は、以下のとおりです。

2.会社員の夫と専業主婦の夫婦(片働き夫婦)
月6万8175円×20年間=1636万2000円
3.自営業者夫婦
月15万5772円×20年間=3738万5280円

会社員片働き夫婦では、2000万円の老後資金があればお金に困らない老後生活を送れます。一方で、自営業者夫婦は2000万円の貯蓄では老後資金が不足してしまいます。

ただし、上記のシミュレーションは平均値を利用していることに注意が必要です。実際には、世帯によって生活費や年金受給額、寿命は異なります。

同じ共働き夫婦でも、現役時代の平均年収などによって年金受給額は大きく変動します。そのため、シミュレーション結果はあくまでも参考として考えてみてください。