筆者は20代のころ、フィリピンのとある小さな島で2年間のボランティア活動を行っていました。
現地には「フィリピノタイム」があり、会議の時間が午前10時からと決まっていても、実際のスタート時間が13時頃と、時間に厳しい日本人からすれば考えられないような状況に非常に戸惑った記憶があります。
なぜ全員が当たり前のように遅れるのかを聞くと、「フィリピンは暑い国だから急いでいくと余計暑い。だからゆっくりなのよ」と言われ、意味がよくわかりませんでした。
一年中暑い国フィリピン。しかし住めば都で、暑さにも慣れるものです。気候に身体が慣れれば、扇風機だけで過ごすこともできます。
しかし、日本には四季という素晴らしい季節の変化があります。よってエアコンも必須でしょう。そこで気になるのが電気代ですが、それ以外の物価の上昇も続けばさらに生活が圧迫されることは言うまでもありません。
現役で給与収入があるうちはなんとかなるかもしれませんが、老後はどうでしょうか。年金生活で物価だけが上昇すれば不安になってしまうかもしれません。
そもそも老後に受給する厚生年金や国民年金はどのくらいになるのか、今回は女性に絞って考察していきます。
1. 老齢年金「国民年金&厚生年金」仕組みをおさらい
日本の年金制度は国民年金(基礎年金)と厚生年金の2つの年金制度から成り立っています。
ベースとなる国民年金の上に厚生年金が位置する構造から「2階建て」といわれています。
公的年金は保証を必要とする人を年金給付という形でサポートする制度です。遺族年金や障害年金もありますが、今回は老後に支給される老齢年金について確認していきます。
国民年金と厚生年金の特徴は以下のとおりです。
1.1 国民年金(老齢基礎年金)
- 加入対象:原則日本に住む20歳から60歳未満の方
- 保険料:全員一律(年度ごとに見直しが行われます)
- 老齢年金の受給要件:加入期間が10年以上(120カ月)以上の場合、原則65歳から受給可能
- 年金額:満額79万5000円(※令和5年度の年額)×調整率(未納期間がある場合は差し引かれます)
1.2 厚生年金(老齢厚生年金)
- 加入対象:会社員、公務員など
- 保険料:毎月の給与や賞与に所定の保険料率をかけて決定
- 老齢年金の受給要件:国民年金の受給要件を満たす者かつ厚生年金の加入期間が1カ月以上ある者
- 年金額:加入期間や納付保険料により決定し国民年金に上乗せで支給
上記のとおり、国民年金と厚生年金は仕組みが異なります。現役時代の働き方が老後の年金受給額に大きく影響することを押さえておきましょう。