3. 国民年金より手厚い?厚生年金でも「月額10万円未満」は少なくない!

年金額決定の仕組み上、厚生年金は国民年金に上乗せ支給となるため、基本的には国民年金より手厚くなります。

しかしながら、先ほど確認したとおり1万円未満から30万円以上まで受給額には個人差があります。

厚生年金であっても月額10万円に満たない人は少なくありません。では、割合としてどれほどかを見てみましょう。

  • 厚生年金の受給権者数:1618万445人
  • 受給額10万円未満の人:374万9779人

374万9779人÷1618万445人=23.2%

同資料より男女別で厚生年金10万円未満の割合を見ると、男性11%、女性47.9%でした。

女性は結婚や出産・育児を機に仕事をセーブする人が多いことが、厚生年金の受給額からも読み取ることができます。

年金が少ない場合には、冒頭で触れたように生活保護を受給することになるかもしれません。

最低限の生活は保障されますが、さまざまな制限があるため思い描いていた年金暮らしを送ることは難しくなります。

将来の年金額はその時まで確定されるものではありません。とはいえ何もせずに老後を迎えるのは不安でしょう。

現役世代の人たちが老後に向けてやるべきことは、公的年金以外の資産形成に取り組むことではないでしょうか。

4. 老後に向けて今からできる対策は?

最近になって「つみたてNISA」や「iDeCo」といった資産運用がこれまで以上にクローズアップされ、興味や関心をもつ方も増えてきたように思います。

いずれも「老後の資産形成」を主な目的として始まった制度です。

これは、「自分の力でも老後の資金を準備してください」という国からのメッセージのようにも感じ取れます。

2024年からNISA制度の大きな改定も予定されています。

自分のお金は自分で守り、育てていく必要があるのです。

「気になってはるけど、なかなか行動には移せていないな」という方は、まずは情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。

老後を迎えてからの対策は非常に困難です。

思い立った今この瞬間から、できることを始めていくことが大切です。

参考資料

荻野 樹