2. 「学生納付特例制度」で猶予が受けられる

20歳以上の学生で国民年金の支払いが難しい方のために、在学中の保険料納付が猶予される「学生納付特例制度」があります。

厚生労働省の「令和2年国民年金被保険者実態調査 結果の概要」によると、学生納付特例制度の利用者は年々増加傾向にあります。

下表は、納付者総数のうち「学生納付特例制度を利用した方の割合」を調査年度ごとにまとめたものです。

学生納付特例制度の利用者割合は10%台であり、年々増加していることがわかります。保険料の支払いを猶予してもらいたい学生が増えていると考えられるでしょう。

では、当制度の対象者となる条件や申請方法などについて確認していきましょう。

2.1 一定所得以下の学生が対象

学生納付特例制度の対象者となるのは、納付特例を受ける前年の所得が以下の学生です。

128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等

なお、所得は学生本人の分のみが基準となり、家族の方の所得は関係しません。

「学生」とは、大学や大学院をはじめ、短期大学や専修学校、各種学校などに在学する方で、通信課程や夜間・定時制課程の方も含まれます。ほとんどの学生が対象になると考えて良いでしょう。

ご自身が通学している学校が対象かどうかは、日本年金機構の「学生納付特例対象校一覧」で確認可能です。

2.2 申請方法

学生納付特例制度の申請は、以下の窓口で対応しています。

  • 住民登録のある市区町村役所の国民年金課など
  • 近くの年金事務所
  • 在学している学校(学生納付特例の代行事務が可能な学校のみ)

窓口まで出向くのが難しい場合は、申請書を郵送で提出することもできます。また、手続きを簡単・迅速に行うために、電子申請も受け付けています。

「ねんきんネット」に登録している方は、画面上で学生納付特例申請書を作成することができます。基礎年金番号などの情報が自動で表示されるので、入力の手間が省けるうえ入力ミスも防げます。

添付書類

学生納付特例申請書には、以下の書類を添付して提出します。

  • 基礎年金番号通知書のコピーまたは年金手帳のコピー
  • 学生または学生だったことの証明書類(学生証や在学証明書など)

不明な点がある場合は、お近くの年金事務所などに問い合わせて確認しましょう。