2. 2023年度「国民年金・厚生年金」は最大2.2%の増額へ

毎年改定される年金額ですが、2023年度は3年ぶりに増額改定となりました。

増額幅は最大で2.2%です。

2.1 2023年度「国民年金」満額の年金額例

  • 月額6万6250円(2022年度の6万4816円より1434円増額)

2.2 2023年度「厚生年金」モデル夫婦の年金額例

  • 月額22万4482円(2022年度の21万9593円より4889円増額)

厚生年金で提示されているモデル夫婦とは、「会社員の夫または妻」と「専業主婦または専業主夫の配偶者」を指し、平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円で40年間就業した場合の目安額です。

ここには夫婦2人分の「国民年金(老齢基礎年金)」と、会社員の夫または妻の「厚生年金(老齢厚生年金)」が含まれる点に注意が必要です。

モデル夫婦だけでは、実際に支給される老齢年金額の実態がつかみにくいものです。

そこで、厚生労働省年金局「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、2021年度末時点での実際に支給された年金額を確認していきます。

3. 国民年金の平均年金月額とボリュームゾーンはいくら?

厚生労働省年金局「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金の平均年金月額は以下のとおりでした。

3.1 国民年金の平均年金月額

  • 男性:5万9013円
  • 女性:5万4346円

国民年金の平均年金月額は、男女ともに5万円台です。

3.2 国民年金のボリュームゾーン

  • 1万円未満:7万27人
  • 1万円以上~2万円未満:28万4152人
  • 2万円以上~3万円未満:90万3006人
  • 3万円以上~4万円未満:274万9550人
  • 4万円以上~5万円未満:463万6048人
  • 5万円以上~6万円未満:791万730人
  • 6万円以上~7万円未満:1500万3006人
  • 7万円以上~:187万2466人

ボリュームゾーンは男女ともに6万円~7万円未満になります。

2023年度の国民年金の満額が月額6万6250円なので、多くの方がこのあたりの水準に達していることがわかります。

ただし、ある程度上の世代の方は年金加入が義務でなかった時代もあり、加入期間の短さから低い年金になっている実情もあります。

4. 厚生年金の平均年金月額とボリュームゾーンはいくら?

同資料より、厚生年金の平均年金月額やボリュームゾーンも見ていきましょう。

4.1 厚生年金の平均年金月額

  • 男性:16万3380円
  • 女性:10万4686円

※上記の年金額には国民年金(老齢基礎年金)を含みます。

厚生年金の平均年金月額は、男女で約6万円もの差が見られます。現役時代の給与や賞与といった報酬や、年金加入期間に男女差が生じているようです。

4.2 厚生年金のボリュームゾーン

  • 1万円未満:9万9642人
  • 1万円以上~2万円未満:2万1099人
  • 2万円以上~3万円未満:5万6394人
  • 3万円以上~4万円未満:10万364人
  • 4万円以上~5万円未満:11万1076人
  • 5万円以上~6万円未満:16万3877人
  • 6万円以上~7万円未満:41万6310人
  • 7万円以上~8万円未満:70万7600人
  • 8万円以上~9万円未満:93万7890人
  • 9万円以上~10万円未満:113万5527人
  • 10万円以上~11万円未満:113万5983人
  • 11万円以上~12万円未満:103万7483人
  • 12万円以上~13万円未満:94万5237人
  • 13万円以上~14万円未満:91万8753人
  • 14万円以上~15万円未満:93万9100人
  • 15万円以上~16万円未満:97万1605人
  • 16万円以上~17万円未満:101万5909人
  • 17万円以上~18万円未満:104万2396人
  • 18万円以上~19万円未満:100万5506人
  • 19万円以上~20万円未満:91万7100人
  • 20万円以上~21万円未満:77万5394人
  • 21万円以上~22万円未満:59万3908人
  • 22万円以上~23万円未満:40万9231人
  • 23万円以上~24万円未満:27万4250人
  • 24万円以上~25万円未満:18万1775人
  • 25万円以上~26万円未満:11万4222人
  • 26万円以上~27万円未満:6万8976人
  • 27万円以上~28万円未満:3万9784人
  • 28万円以上~29万円未満:1万9866人
  • 29万円以上~30万円未満:9372人
  • 30万円以上~:1万4816人

ボリュームゾーンは9万円以上~12万円未満、16万円以上~19万円未満にわかれます。男女差や個人差が大きいため、自分自身の目安額を確認しておけると安心です。

ねんきん定期便やねんきんネットなどを活用し、定期的に確認しましょう。

しかし忘れてはいけないのは、これらに記載された金額はあくまでも額面であり、手取りはもっと減るということです。

さらにこの10月から、年金振込額(手取り)が変わる人もいるのです。