1. 国民保険を未納のままにすると「2年・3年・4年」でいくら減る?
まずは、国民年金保険料を未納のままにした場合、将来の年金額にどのような影響があるのかを確認していきましょう。
結論から申し上げますと、未納のままにした分は将来年金を受け取る際に減額されることになります。
国民年金は、保険料を納付した月数によって年金額が決まり、満額を受け取るには40年間(480月)保険料を納付する必要があります。
令和5年度は満額で79万5000円受給できますが、未納がある場合、未納月数分だけ減額されるのです。
では、どのくらい減額になるのかを、2年・3年・4年未納にした場合でシミュレーションしてみます。
1.1 【未納が2年ある場合】
未納が2年(24月)ある場合の納付済月数は456月(480月-24月)です。
年金受給額は、79万5000円×456月/480月=75万5250円で、満額よりも3万9750円減額されます。
1.2 【未納が3年ある場合】
未納が3年(36月)ある場合の納付済月数は444月(480月-36月)です。
年金受給額は、79万5000円×444月/480月=73万5375円で、満額よりも5万9625円減額されます。
1.3 【未納が4年ある場合】
未納が4年(48月)ある場合の納付済月数は432月(480月-48月)です。
年金受給額は、79万5000円×432月/480月=71万5500円で、満額よりも7万9500円減額されます。
まとめると以下のようになります。
未納が2年ある場合は約4万円、3年ある場合は約6万円、4年ある場合は約8万円が減額されることになります。
年金は老後の主な収入源となる方が多いので、できるだけ満額か満額に近い金額を受給できるよう、未納がないように納付することをおすすめします。
2. 「学生納付特例制度」を利用する際の注意点
国民年金保険料の支払いが難しい学生を対象に、学生のうちの納付を猶予する「学生納付特例制度」が設けられています。
保険料の納付が難しい場合は、未納のまま放置せず申請手続きをとりましょう。
2.1 「学生納付特例制度」とは
学生納付特例制度は、在学中の保険料納付が猶予される制度で、所得が以下の式で求める基準以下の学生が対象です。
128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等
なお、基準となる所得は学生本人のもののみで、家族の所得は関係ありません。
申請窓口は、お住まいの市区町村役所の国民年金課や近くの年金事務所ですが、在学中の学校で対応してくれるところもあります。
2.2 追納しないと年金額が減る
学生納付特例制度により保険料の納付を受けた期間は、将来国民年金を受給する際に必要な「受給資格期間」にはカウントされますが、年金額には反映されません。
つまり、納付しなかった分は年金が減額されるということです。
そのため、免除申請をすればそれで終わりではなく、収入を得るようになったら「追納」して将来の年金額が減額されないようにする必要があります。追納できるのは10年以内と決められています。
なお、2年以内に追納する保険料はもともとの金額のままですが、3年度目以降のものは経過期間に応じて加算額が上乗せされるため、できるだけ早期に追納することをおすすめします。