2.  おひとりさま「厚生年金・国民年金」の年金月額はいくら?

ではまず、老後の収入の柱となる厚生年金と国民年金の月額平均を見ておきましょう。

厚生労働省年金局が公表した「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、いまのシニアの厚生年金と国民年金のひと月あたりの受給額平均は、以下のとおりです。

2.1 おひとりさまシニア「国民年金」月額

  • 男性:月額5万9013円
  • 女性:月額5万4346円
  • 全体:月額5万6368円

国民年金の年金月額は平均5万6368円で、男女ともに5万円台です。

年齢によっては国民年金に加入していない期間が長く、受給額が少ないという人もいます。しかし個人差が大きく開くことはなく、概ね5~7万円の国民年金を受給しているようです。

2.2 おひとりさまシニア「厚生年金」月額

  • 男性:月額16万3380円
  • 女性:月額10万4686円
  • 全体:月額14万3965円

一方、厚生年金は約6万円もの男女差が見られます。全体の年金月額の平均は、14万3965円ですが、男性は16万3380円、女性は14万3965円です。

これは、厚生年金の受給額の決まり方に要因があります。

報酬比例部分= A + B

  • A(2003年3月以前):平均標準報酬月額×7.125/1000×2003年3月までの加入期間の月数
  • B(2003年4月以降):平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の加入期間の月数

このように、現役時代の給与や賞与などの報酬と年金加入期間によって決定するため、現役時代の働き方が個人によって異なる以上、老齢年金も左右されるということです。

男女差が大きいのは、いまのシニア世代が現役の頃、結婚や出産を経てもフルタイムで勤務し続ける女性が少なかった背景があるからです。

今後は男女差が埋まっていくのかもしれませんね。

ただし、厚生年金の個人差は今後も大きいと考えられるため、ご自身の年金額は「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で確認しておきましょう。