2023年9月27日に国税庁が公表した資料によると、最新の日本人の平均年収は458万円となりました。
ただし、こちらには正社員も非正規雇用の方も含まれます。
詳細を確認すると、正社員523万円に対し、正社員(正職員)以外※は201万円という結果になりました。
※正社員(正職員)以外:役員、青色専従者を除くパート・アルバイト等、「正社員(正職員)」として処遇していない給与所得者をいう。
では、生涯を通して平均年収が200万円だった場合、将来の厚生年金はいくらになるのでしょうか。
公的年金のうち「厚生年金」は、現役時代の賃金や加入期間で受給額が決まります。
平均受給額とともに、年収200万円の人の年金額を試算してみましょう。
1. 年収200万円の人が受け取る厚生年金は月額約10万3300円
まずは厚生年金の受給額に”年収”がどのように影響するのかをつかむため、受給額の決まり方を確認しましょう。
1.1 厚生年金の受給額の計算式
報酬比例部分= A + B
- A(2003年3月以前):平均標準報酬月額×7.125/1000×2003年3月までの加入期間の月数
- B(2003年4月以降):平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の加入期間の月数
報酬比例部分(従前額)=( A + B )× 1.014
- A(2003年3月以前):平均標準報酬月額×7.5/1000×2003年3月までの加入期間の月数
- B(2003年4月以降):平均標準報酬額×5.769/1000×2003年4月以降の加入期間の月数
厚生年金の報酬比例部分は、どちらかの式によって算出されます。また加入の時期によって計算式が異なるため、ここでは2003年4月以降に加入したとして試算します。
1.2 試算条件
- 年収200万円から平均標準報酬額は16万6700円とする
- 2003年4月以降に厚生年金に38年間加入した
- 国民年金は40年間未納なし
- 配偶者や扶養家族はいない
それではいよいよ上記の条件をもとに、年収200万円の人の年金額を計算してみます。
1.3 厚生年金額をシミュレーション
上記の式に当てはめると、厚生年金額は年額で44万4600円。
さらに老齢基礎年金(国民年金)の満額約79万5000円を足すと、合計で約123万9600円となります。
月額にすると約10万3300円です。
実際には38年間を通して年収200万円であるケースはまれですが、一つの目安となるでしょう。
※昭和21年4月1日以前に生まれた方については、給付乗率が異なります。
※年収÷12で仮の平均標準報酬月額を算出しています。実際には「平均標準報酬月額」「平均標準報酬額」を用いるため、厳密には年収と異なります。
※あくまでも概算のため、実際の受給額とは異なるケースがあります。
※老齢基礎年金は2023年度新規裁定者の基準額です。