平均寿命・健康寿命の伸びから、リタイヤ時期を後ろ倒しに検討される方は多いのではないでしょうか。
ファイナンシャルアドバイザーである筆者は、さまざまな年代のお客様とお話する機会が多々あります。
そこで、実際いくつまでお仕事続けられる予定ですか?とお伺いすると「できれば今すぐにでも辞めたいですが、今後のことを考えるとそうもいかないので」というお声をよく耳にします。
皆さん、将来の「お金」に対する不安は尽きないようです。
いくらあれば安心できるのか、これは人ぞれぞれライフスタイルによっても異なりますが、大体のイメージや水準を知っておくことは大事かもしれません。
今回は現役シニア世代の懐事情にフォーカスして収支の中身を把握していきたいと思います。
1. 【シニアの年金】65歳以上世帯の「厚生年金と国民年金」はいくら?
さっそく、シニア世代の懐事情を見ていきましょう。
まずは、老後生活の柱の一つである厚生年金や国民年金の月額平均から。
厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2021年度末時点の老齢年金の平均年金月額は次のとおりです。
1.1 厚生年金:平均年金月額
厚生年金の平均年金月額:14万3965円
- 男性平均月額:16万3380円
- 女性平均月額:10万4686円
※上記の厚生年金受給額には国民年金(基礎年金)部分を含む。
厚生年金の平均年金月額は、上記のとおり男女で約6万円の開きが見られます。
厚生年金は、現役時代の給与や賞与などの報酬額により決定する保険料と年金加入期間により算出される報酬比例部分を国民年金(老齢基礎年金)に上乗せして支給されます。
この報酬比例部分が厚生年金受給額の男女差・個人差に大きく影響することを理解しておきましょう。