社会保険に加入するのは損なのか?社会保険加入の2つのメリット

果たして年収が上がることで社会保険に加入するのは損なのでしょうか。

社会保険料によって手取りが減ってしまうため、これまではデメリットの面が多くクローズアップされてきました。

しかし、政府の助成を考慮しなくても長期的な視点からみるとメリットがあるのも事実です。

本章では、社会保険に加入するメリットについて解説していきます。

老後に受け取れる年金額が増える

社会保険加入のメリットとして、「老後に受け取れる年金額が増える」ことが挙げられます。

夫の扶養に入ったまま働く場合は「国民年金」のみに加入となりますが、社会保険に加入することで厚生年金も受け取れるようになることから、年金アップが狙えます。

具体例として、上乗せされる厚生年金の月額と年金保険料の目安は下記のとおりです。

年金は老後を迎えた際の大きな収入源となるため、長期的な視点で考えた場合は今のうちに老後の蓄えとして社会保険に加入して、少しでも年金額をアップしておくのが得策かもしれません。

傷病手当金・出産手当金など保障が充実している

社会保険に加入するもう1つのメリットとして、「傷病手当金・出産手当金など保障が充実している」ことが挙げられます。

夫の扶養に入ったまま働く場合は、仮に怪我をしたり妊娠をしたりして働けなくなった際に無収入となります。

しかし、社会保険に加入をしていれば、傷病手当金や出産手当金として給与の2/3相当が支給されるため、家計の負担を軽減させられるでしょう。

なお、上記の保障があることで、民間保険で備えておく分も最低限で済むため、トータルの保険料を見直した場合に負担を軽減できる可能性もあります。

最低賃金アップを機会に働き方の見直しを

本記事では、パート主婦を悩ませている「年収の壁」の仕組みについて解説していきました。

10月から最低賃金アップがされ、さらに年収の壁についての対策も進んでいます。

手取り額が減ってしまうデメリットはありますが、長期的な視点で見れば、社会保険料相応のメリットも存在します。

10月からの最低賃金アップに備え年収の調整を考えている方は、この機会に制度を改めて把握し、働き方の見直し・検討を今一度しておけると良いでしょう。

参考資料

太田 彩子