2023年10月1日、東証プライム上場企業2社が、会社名を変更した。
凸版印刷株式会社(7911)とZホールディングス株式会社(4689)である。
2023年4月には、日本電産株式会社(6594)が創業50周年を迎える年に、ニデック株式会社へと会社名を変更した。
会社名を変更するにはどのような手続きが必要なのか。
会社名の変更手続き
会社名は、法律では「商号」という(会社法第6条1項)。
定款とは
株式会社は、会社の設立にあたり、必ず「定款(ていかん)」を作成しなければならない。定款は、会社の「決め事」を記載したものであり、「会社における憲法」とも呼ばれ、会社が存続する限り定款を整備し続ける必要がある。
商号は、定款に必ず記載しなければならない事項、「定款の絶対的記載事項」(会社法第27条、第37条)があり、以下の6つである。
- 目的
- 商号
- 本店の所在地
- 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
- 発起人の氏名又は名称及び住所
- 発行可能株式総数(会社の成立までに必ず記載が必要なため)
商号は、「定款の絶対的記載事項」である。
つまり、会社名(商号)を変更するためには、定款の記載内容を変更する必要がある。
定款の変更方法とは
前述のとおり、定款は「会社における憲法」であるため、変更に際しては厳格な手続きが必要とされる。
会社の取締役会で変更できるものではなく、株主の権利に重要な影響を与えるものであるため、株主総会での決議が会社法により要求されている(会社法第466条、309条2項11号)。
なお、株主総会の特別決議とは、重要な決定をする際に会社法により要求されるものであり、議決権の過半数を保有する株主が株主総会に出席し、出席した株主の議決権の3分の2をもって決議することとなる。
会社議案として提出して、株主に納得のいく説明をして賛成してもらう必要があり、ハードルは高めに設定されている。
凸版印刷からTOPPANへ変更
凸版印刷は創業120年を超える企業であり、2023年3月に会社名を変更することを発表した(著者注:正確には持分会社体制への移行に向けた会社分割および商号等の変更を発表)。
2023年6月の株主総会にて議案が賛成多数で可決され、変更が正式に決定した。
創業時から付いていた「印刷」を社名から外し、新たなステージへ向かう会社の方向性が支持されたと言えよう。
株主総会で決定された期日どおり、2023年10月1日、凸版印刷株式会社は、「TOPPANホールディングス株式会社」へと変更となった。
ZホールディングスからLINEヤフーへ変更
Zホールディングスは、傘下にLINE株式会社、ヤフー株式会社、Z Entertainment株式会社およびZデータ株式会社をもつ持株会社であった。
2023年2月にLINEとヤフーを中心とした合併方針を打ち出し、2023年4月に5社が合併し、会社名を「LINEヤフー株式会社」とすることを発表した。
2023年6月の株主総会にて議案が賛成多数で可決され、変更が正式に決定した。
“「WOW」なライフプラットフォームを創り、日常に「!」を届ける。”をミッションとし、24時間365日、どんな時も人々の暮らしに寄り添い、驚きと感動を提供していくとしている。
「TOPPANホールディングス」と「LINEヤフー」の株価
土日を挟んで会社名が変更となった2社について、株価動向を見る。
「TOPPANホールディングス」の株価
商号変更前となる、2023年9月29日の終値は415.5円であった。
年初来高値は、2023年9月6日の457円である。
LINEヤフーへの商号変更後の、2023年10月2日の終値は前日比11.9円安の403.6円であった。
「LINEヤフー」の株価
商号変更前となる、2023年9月29日の終値は3575円であった。
年初来高値は、2023年9月20日の3871円である。
TOPPANホールディングスへの商号変更後の、2023年10月2日の終値は前日比81円安の3494円であった。

