【年収】クレヨンしんちゃん「野原ひろし」はいくらか

このように一口に年収といっても、男性・女性、正社員・正社員以外、年代別にみると差が見られます。

ただ長年平均年収400万円台が続き、物価や社会保険料が上がる日本では、生活の苦しさを訴える声が年々上がりつつあるように思います。

「一般的な家族モデル」として、『クレヨンしんちゃん』の野原一家を思い浮かべるかたも多いでしょう。

今の現役世代は『クレヨンしんちゃん』を見て育っており、「大人になったら『普通に』野原ひろしのようになれる」と思っていた方もいるかもしれません。

では野原一家の家族構成と年収を確認しましょう。

  • 野原ひろし(35歳・双葉商事勤務)
  • 妻のみさえ(29歳・専業主婦)
  • 息子のしんのすけ(5歳)
  • 娘のひまわり(0歳)
  • 犬のシロ
  • 春日部に一戸建て(4DK)
  • マイカー保有

野原ひろしは双葉商事に勤め、専業主婦のみさえと、しんのすけとひまわりの四人家族です。

妻は専業主婦、子どもは2人、ペットを飼い、春日部に庭付き一戸建てを住宅ローンで建ててマイカー保有…共働きが多い現代ではこの生活を「普通」と感じない方も多いのではないでしょうか。

野原ひろしの給与については、1994年に放送された「ひさんな給料日だゾ」という回で手取りで約30万円と紹介されています。手取りで30万円のため、額面では約38万円ほどと考えられるでしょう。

仮にボーナスを給与の2カ月分とした場合、35歳のひろしの年収は約600万円と考えられます。ちなみに厚生労働省によると、1994年の日本の平均年収は約465万円でした。

年収は下がり支出増…「普通に野原ひろしのようになれる」時代は過ぎたか

現代の30歳代前半男性の平均年収は485万円、30歳代後半男性は549万円です。35歳の野原ひろしは、現代において平均より年収が高いと言えます。

忘れてはならないのは、平均は一部の富裕層の影響を受ける傾向にある点です。中央値で見れば、より実態に近い年収はこれよりも低くなる可能性も考えられます。

ここ最近は、野原みさえの悲鳴が聞こえてきそうなほど物価の上昇幅も目立ちます。

また、社会保険料や大学学費も年々上がっています。

全国健康保険協会の「保険料率の変遷」をみると、健康保険料率 は基本的に年々増加しているのがわかります。

私立大学の学費について、文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」によると、平成6(1994)年の平均的な入学料は28万892円、授業料は70万8847円でした。

一方で文部科学省「私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」によれば、入学料は24万5951円と下がっていますが、授業料は93万943円と約20万円上がっています。

さまざま面から考えると、「普通に野原一家の暮らしをする」時代は過ぎ去ったといえるかもしれません。

平均年収のまとめ

日本の平均寿命は80歳代。

80年間という年月で考えれば、国の経済状況や家族モデルが移りゆくのは当たり前と言えるかもしれません。

世は無常とはいいますが、その時々の変化と先を見据えながら、キャリアやマネー、ライフプランを考えていくことが大切と言えるでしょう。

参考資料

宮野 茉莉子