管理職就任への女性の不安1位は「ワーク・ライフ・バランス」
一般的に、年齢があがるほどに平均年収はあがるものです。ただし、女性の場合はどの年代でも200~300万円台を推移しています(グラフ参照)。
これは非正規雇用も含む調査なので、年収を意図的に抑えている方がいるからこその結果ともいえます。
ただし、正規雇用に絞っても年収に男女差がある現状からは、扶養内に収めなくても何かしらの制限があることが考えられます。
ビジネスコーチ株式会社が2023年8月31日に公表した資料では、管理職就任への女性の不安1位は「ワーク・ライフ・バランス」であることがわかりました。
その後、2位「責任の重さに耐えられるか(26%)」、3位「心身の健康を保てるか(25%)」と続きます。
- 「ワークライフバランスが悪い」
- 「育児と両立したいから」
- 「子育て重視で働きたいから」
などの回答は、男性では見られないものとなっています。
年収をあげるには管理職への昇進がひとつのカギとなりますが、「ワーク・ライフ・バランス」の観点から踏み切れない女性もいるようです。
昨今では核家族が増え、また親世代も働く女性が増えていることから、実家に頼らず育児をする世帯が増えています。
子どもの成長とともに仕事の比重が増えるのが理想ですが、なかなか思うようにいかないのが現実ではないでしょうか。
年収とキャリアを考えたとき、どのように家庭と両立できるかが重要になります。
女性が考えるキャリアまとめ
日本の平均年収は最新で458万円。ただし男女や雇用形態による差があることがわかりました。
国は女性の管理職を増やすことを目指しているものの、アンケートでは踏み出せない女性のリアルな声も浮き彫りとなっています。
ただし、社会保険料の適用拡大や年収の壁対策など、政府の動きも見られます。
キャリアアップできる環境が徐々に整えば、「年収400万円の女性はすごい」という感覚は変化していくのかもしれません。
参考資料
- 国税庁「令和4年分 民間給与実態調査統計(2023年9月27日)」
- ビジネスコーチ株式会社「昇進・昇格に関する社員意識調査2023(男女比較版)~ 管理職就任への女性の不安1位は「ワーク・ライフ・バランス」女性の活躍推進に向けて各社が取り組むべきこととは? ~」
太田 彩子