住宅ローンは、将来インフレになって金利が上がるリスクを考えて、固定金利で借りる方が安心であると筆者は考えます。(経済評論家 塚崎公義)。
1. 住宅ローン「固定金利と変動金利」の損得を考える
銀行から住宅ローンを借りる際、返済までの適用金利のタイプはいくつか選ぶことができます。
その代表的なものが、最初に全期間、もしくは一定期間の金利を決めてしまう契約(固定金利※)と、その時々の金利水準を用いて支払い金利額を決める契約(変動金利)です。
理屈からすれば、どちらが得とも言えないはずです。
銀行の予想より短期金利が高くなれば、「固定金利で借りた方が得だった」ということになりますし、銀行の予想より短期金利が低くなれば「変動金利で借りた方が得だった」ということになるでしょう。
とはいえ、確率が五分五分ならば、どちらで借りた方が得かは、借りる時点ではわからないわけですね。
ちなみに、短期金利は日銀がコントロールしています。
インフレになればインフレ抑制のために短期金利を引き上げますし、インフレにならなければ引き上げません。したがって、銀行が将来の短期金利を予想する時には将来のインフレ率を予想することになるわけです。
※「固定金利型」「変動金利型」を詳しく整理
◆固定金利型◆
- 全期間固定金利型:借入れ全期間にわたって金利が変わらないタイプ
- 固定金利期間選択型:一定期間金利が固定されるタイプ
◆変動金利型◆
定期的に金利の見直しが行われるタイプ
参考:一般社団法人日本銀行協会「変動で返す?固定で返す?住宅ローンの金利タイプ」