4. 40歳代・50歳代が老後に向けて資産を効率良く増やす3つの方法
先述したとおり、現在の40歳代・50歳代は就職氷河期世代にあたります。
収入が安定しない人、あるいは以前そうだった人は、思うように貯蓄ができていないかもしれません。
しかし老後生活の柱となる公的年金は、シニアの生活費を全てカバーできるほどの金額は期待できません。
ほとんどの人が、年金以外に資産を準備しておく必要があります。
では、老後までそうたくさんの時間はない40歳代・50歳代がこれから効率良く資産を増やすには、どういう方法があるのでしょうか。
4.1 老後に向けて資産を増やす方法【その1】:つみたてNISA
つみたてNISA。資産運用にあまり興味がない人でも聞いたことがあるかもしれません。
つみたてNISAは、初心者が少額からコツコツお金を増やしていく方法として注目の非課税優遇制度です。
毎月一定額で投資信託を購入し、そこで発生した利益は全て非課税となります。
投資=リスクを伴いますので、抵抗感がある人もいるでしょう。
しかし、いまの日本は超低金利ですので、銀行の預貯金だけでお金を増やすことはできません。
それどころか、インフレによって銀行にお金を預けているだけで資産価値が目減りするような状況ですので、お金に働いてもらう工夫も必要です。
つみたてNISAは、ネット銀行やネット証券であれば、100円から始められるところもあります。
リスクとは、投資とは、元本変動はどの程度か、そして自分に合うのか合わないか、少額から試してみるのもいいですね。
4.2 老後に向けて資産を増やす方法【その2】:iDeCo
iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金制度)は、私的年金制度です。
毎月、掛け金を拠出して資産運用を行います。
投資信託や定期預金から運用先を自身で選択することができます。
投資信託A:30%、投資信託B:30%、定期預金40%というように、運用先の比率も自身で調整可能です。
掛け金は全額所得控除の対象となり、受取時にも受け取り方法に応じて控除が適用されます。
自身で老後資金を作りながら、税制上のメリットも享受できる制度です。
ただし、利用する金融機関により総額は異なりますが手数料がかかる点に注意が必要です。
また、原則60歳まではお金を引き出すことができないため、あくまでも「老後資金」の資産形成を目的として利用しましょう。
4.3 老後に向けて資産を増やす方法【その3】:副業
近年は、副業を認める企業も増えています。
一昔前のように深夜まで残業して残業代で月収をアップさせる、そんな働き方は現代的ではありません。
とはいえ、物価は上昇するのに賃金は横ばい…と厳しい状況が続いています。
こうした中、副業により本業以外の収入源を確保する人も増えています。
通信環境が整っていれば在宅での副業も可能です。本業ではできない、自身の趣味やスキルを生かした仕事にチャレンジして副業自体を楽しむ人も。
5. まとめにかえて
40歳代から50歳代の働き盛りの貯蓄は個人差が大きく、生活費や教育資金などなにかと入用も多い時期です。
そして、その後は老後生活に突入していきます。
老後の必要資金は人それぞれです。
せっかくのこの機会に、老後どれくらい備えが必要なのかを調べてみるのも良いでしょう。
その結果、老後資金が不足しそうなのであれば、資産運用を検討するのも一つだと思います。
参考資料
- 厚生労働省「就職氷河期世代の方々への支援のご案内」
- 金融庁「新しいNISA」
- 金融広報中央委員会「各種分類データ(令和4年)ー家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年以降)」
- 金融広報中央委員会「各種分類データ(令和4年)ー家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成19年以降)」
西村 翼