人生の三大資金「住宅資金・教育資金・老後資金」。

家族構成やライフスタイルにより異なりますが、40歳代・50歳代で”今まさに”住宅資金と教育資金に追われているという世帯は少なくないでしょう。

近年は晩婚化でもあり、教育資金が50歳代後半、60歳代に食い込むといったケースも。

しかし、40歳代・50歳代は、実はそろそろ自身の老後生活にも意識を向けるべき非常に重要なタームとなります。

慌ただしい毎日を過ごす中で、ふと老後生活が頭をよぎることもあるのではないでしょうか。

現在50歳前後の世代は、就職氷河期世代にあたります。

今回は、そんな40歳代~50歳代の貯蓄事情を眺めていきたいと思います。

1. 就職氷河期世代とは?

1993年のバブル崩壊後、不景気により雇用環境が非常に厳しい時期がありました。

1990年代~2000年代、採用活動をする企業が減少、あるいは、採用人数が縮小される中、就職活動を行った世代を「就職氷河期世代」といいます。

現在の40歳代~50歳代の人がこの就職氷河期世代にあたります。

本来であれば引く手あまたとなるであろう優秀な人材でも、正規で雇用されることが難しい時期でした。

雇用環境が好転しても、職歴がないために希望する条件の職に就けないという悪循環に。

そこで政府は「就職氷河期世代支援プログラム」といって、就職・正社員化の実現、多様な社会参加への実現を目指した支援を実施しています。

現時点で正規雇用の人、非正規雇用の人、無職の人、さまざまですが、10年、20年後には「老後」が待っています。

就職氷河期世代の貯蓄事情はどうなのか、見ていきましょう。

2. 40歳代:貯蓄額はいくら?(単身世帯と二人以上世帯)

現在40歳代の貯蓄額はどれくらいなのか、単身世帯と二人以上世帯で確認してみます。

2.1 40歳代:貯蓄額はいくら?単身世帯の中央値は53万円

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」によると、40歳代・単身世帯の貯蓄の平均は657万円、より実態に近い中央値は53万円です。

2.2 40歳代:貯蓄額はいくら?二人以上世帯の中央値は250万円

金融広報中央委員会「各種分類データ(令和4年)ー家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年以降)」によると、二人以上世帯では、平均が825万円、中央値が250万円でした。