高齢化社会と呼ばれる現在、何歳からが高齢なのだろうと疑問を抱くほど元気な方が多いかと思います。

「100歳」と聞いて思い浮かぶのが、筆者の場合は金さん・銀さんです。

1991年~1992年にかけて金さん・銀さんがCMに出演されていたのですが、この頃、100歳を超える長寿の方は全国で約4000人ほどだったそうです。

ところが2022年時点の100歳以上の高齢者は9万526人にまで増加(参照:2023年9月15日リリース 厚生労働省「百歳高齢者表彰の対象者は47,107人」)。

人生100年時代ともいわれているように、100歳以上を生きる長生きの未来に向けて、働く世代にも少しずつ変化があらわれています。

たとえば、一昔前は60歳で定年退職して、老後を迎えるというのが一般的でした。

しかし、定年年齢の引き上げや定年制度の廃止が義務化され、さらには70歳までの雇用機会拡大が企業の努力義務となるなど、シニアの労働環境が変化しつつあります。

今回は、そんなシニア世代のお金事情を観察すべく、70歳代「おひとりさま世帯」にスポットをあてて、統計資料より貯蓄額や公的年金の受給額について見ていきましょう。

1. 70歳代「おひとりさま」世帯の貯蓄額はどれほどか。平均と中央値を見る

まずは70歳代の単身世帯の貯蓄事情を、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」をもとに見ていきましょう。

70歳代の単身世帯の金融資産保有額の平均は1433万円。中央値が485万円と平均と大きく乖離が出ています。

この場合、平均は一部のお金持ちにより引き上げられていると考えられます。

ここでは、数値を小さい順に並べた時にちょうど真ん中にくる中央値を参考値としておきましょう。

なお、この金融資産保有額には預貯金や現金以外に、生命保険や投資信託、株式といった資産価値のある投資商品も含みます。