資産運用のご相談を承っていると、70歳代のお客様に出会うことが少なくありません。

「人生100年」と言われる時代を迎え、節目の古稀を過ぎてもまだ余生の資金繰りが心配になってしまうようです。

現役で働く方もいる一方で、心身の衰えが目立ち始める方がいるのもこの世代。

理解力や判断力に陰りが出てくることもあるため、金融機関がリスクの高い一部の取引を制限したり、お客様の意思確認を厳重にしたりすることもあります。

70歳を過ぎると、本人は元気なつもりでも周囲はそうは見てくれない、という現実があるようです。

それでも資産運用を始めたくなる、70歳代の懐事情を今回は探っていきましょう。

1. 70歳代以上「貯蓄3000万円超」の世帯はどれほどいるのか

総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2022年(令和4年)詳細結果-(二人以上の世帯)」によると、70歳代以上の貯蓄平均額は2411万円です。

1.1 70歳代以上の貯蓄現在高

70歳代世帯「187万4554世帯」の貯蓄現在高について、金額ごとの世帯数を見ていきましょう。

70歳代以上の平均貯蓄額:2411万円

  • 100万円未満:14万896世帯
  • 100万円~:6万4999世帯
  • 200万円~:6万426世帯
  • 300万円~:6万9205世帯
  • 400万円~:6万2104世帯
  • 500万円~:7万670世帯
  • 600万円~:5万2589世帯
  • 700万円~:4万9056世帯
  • 800万円~:6万433世帯
  • 900万円~:4万6408世帯
  • 1000万円~:10万9329世帯
  • 1200万円~:8万5755世帯
  • 1400万円~:6万9842世帯
  • 1600万円~:8万2145世帯
  • 1800万円~:5万9305世帯
  • 2000万円~:15万265世帯
  • 2500万円~:12万1065世帯
  • 3000万円~:17万7308世帯
  • 4000万円~:33万4754世帯

70歳代以上のシニアは、貯蓄「4000万円超」の世帯が最多。

その次に多いのが「3000万円超」。

貯蓄額3000万円以上の70歳代以上のシニア世帯は約27%ということになります。

いまのシニアの貯蓄事情は明るいのでは?とも思いますが、分布を見ると貯蓄額が500万円未満の世帯は22%と少なくありません。

貯蓄がどれほどあれば良いのか、その答えは人によって異なります。

また、貯蓄がどれほどあれば安心なのか、その目安も人それぞれです。

老後生活において、どのような支出が必要となるのか想定しながら、老後に向けて資産を蓄えていきましょう。