3. 情報を見極め、自分に合った資産運用で老後資金をつくる

ここまで70歳代世帯の貯蓄事情や年金額ついて統計データを読んでみました。

「老後2000万円」を大幅に上回る3000万円を超える世帯は全体の約4分の1でした。

十分な貯蓄額を持っている世帯がある一方、100万円未満の世帯も多いことから世帯間の格差が浮き彫りとなりました。

また、老後の生活を支える公的年金でも同様に年金種類による格差が見られましたね。

国民年金だけでは月収5万円台に留まりますから、年金だけの生活は苦しいはずです。厚生年金を受給できるで「元会社員」でも、ゆとりのある老後とは言えないでしょう。

70歳からでも資産運用を始めたいと思う心理は、こうした余裕のない懐事情が背景にあるようです。

また現在の70歳代はバブル期の高金利を経験している世代です。いまの銀行預金の低金利に呆れ、何か始めなければという気持ちが強くなるようです。

70歳代からでも資産運用を始めることは不可能ではありませんが、若い世代に比べ選択肢はぐっと少なくなります。

資産運用につきものの元本割れリスクとうまく付き合っていくために必要な人生の時間が乏しい上、お客様の理解力や判断力に対して、金融機関側が慎重になるからです。

やはり70歳をひとつの節目として、事前にできるだけ資産を形成しておく、というのが正解なのではないでしょうか。

つみたてNISAやiDeCoなど、国も自助努力による資産形成を促す制度を整備しています。

どんな方法にもメリットとデメリットがあります。情報を見極め、自分にあった資産運用を若いうちから取り入れておくことが重要です。

参考資料

上田 輔